小さい左手でどうやってヴァイオリンのフィンガリングを考えようかという話。とくに3の指4の指。
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時にはあえてポジション移動し、左手の形を強制リセット
どうにもヴァイオリン奏法における左手は、形状記憶合金っぽいところがあるように思うので、あえてポジション移動して、指・手の形をリセットさせるほうがうまくいくこともある。特に手が小さいので、3の指4の指はうっかりするとじぇんじぇん届かない。次。
意外と鬼門:4の指か3の指か
小指(4の指)はもちろん、3の指も、ちょーシンプルな瞬間に油断してるとめっちゃ恥ずかしい思いをする。MozartのKV218の、展開部から再現部に戻ってくるただのAとか。人によると思うけど、たとえばあれを3→4の指で降りてくると、びっくりするくらいAにならなかったりする。めっちゃはずい。まああそこはそもそも、trで降ってきた直後、Aの前打音(開放弦)の隙に3rdポジションに飛んじゃうほうがいいか。
ハイポジションは3の指のほうがなんだかんだハマることも多い。が、1st-3rdポジションくらいは微妙なところ。前後のフィンガリングによる。Don Juan頭1Pの下の段あたりとか。ヴィブラートもたまには小指でやる。
フィンガリング、小指(4の指)より1の指に頼るべき?
たしかに小指は弱いし無理させないほうがいいんだけど、ハイポジションだと帰って1の指が邪魔になったりする。とくにポジション降りないといけないとき。ドン・ファン、1Pの最後の段とか。
速いパッセージはどうしてもどちらかに負担がいく場合、やっぱり人差し指をぱたぱたさせるほうがいいかな……まもってあげる優先順位は小指>移弦>ほかの指という感じ。
いちいち指を離さない
小さいゆえに固まりがちな左手、の体力を消費させないために、無駄な指はさっさと離して節約する一方、あえて離さず、形を記憶させたままにしたほうがいい場面もある。とくにオクターブの形を意識するとよさげ。
速いパッセージはもちろん、どってことないメロディとか、意外と人差し指を押さえっぱなしにしておいたほうがいい場面は多い気がする。
弦をまたぐ完全五度の取り方
まじ無理ゲー。可能なら左腕肘(むしろ背中)から動かして平行にするとかいろいろあるけど、基本は手首〜てのひら〜指先でがんばる。ねじる。ひねる。でも頑張りすぎて弦を押さえつけないのがたぶんマシ。
Stabat Materの冒頭とかマジ絶許。3連チャン完全五度とか、重音ですらないのにはまりにくすぎて泣く。でもあそこはポジション移動したくないし。死ぬ。
そのほか、フィンガリング以外の小さい左手の救済案
右手が左手を助ける
これはマジで助かる。くそはまんねーよどーすりゃいいんだよ、というときはそもそもボウイングから見直してみるとうまくいったりする。「なんでこんなボウイングにしたの?」「左手と相談しました!」でOK。自分の左手の声は自分にしか聞こえねえんだ。んだ。
首〜肩当て、楽器の構え方
楽器、体の中心よりだいぶ左、左頬の下に挟むイメージ。昔の巨匠がよくやってる風のやつ。あれが意外といいかもしれない。でも肩幅たりない。要検証。
無駄に動いてない?
そもそもなんかその、あれ、全体的にクネクネしたりする必要あるっけ? なくね? ビデオ見返そ😇
左手用エクササイズ
- 速いパッセージ、指をいちいち離しながら(開放弦挟みながら)ゆっくりさらうやつ
- わざと変な位置にアクセントつけながらゆっくりさらうやつ
- レガートでさらうやつ
いずれも、しっかり弦は叩くけれども弦を押さえつけないイメージ。小指が気になるが、小指だけではなく小指と薬指のあいだを意識しながら。結局なんだかんだカール・フレッシュとか、単純なスケール練習がいちばん効くように思う。