【保存版】コンサート、リサイタル開催までの流れ─俺の屍を越えてゆけ

初ソロ・リサイタルを開催するまでの流れや反省点を、自分用にメモ。コンサート・演奏会の開き方がわからん、リサイタル開催したいけどチビリそう、という人はせっかくなので俺の屍を踏んづけていってください。

超長いので、command+fで知りたい単語を検索、もしくは目次クリックをおすすめします。

主催者スペック

自主企画公演はわりと経験あり。デュオ編成までのリサイタルなら経験あり。自分がメイン(ソロ)は初。

コンサート前、できる限り早めに用意するもの

  1. 開催日程と開演時刻
  2. 会場
  3. 曲目
  4. 入場料
  5. フライヤー
  6. タイトル
  7. チケット

開催日程と開演時刻

平日なら遅めでも良いけれど、遅すぎると来場者の帰宅が危ぶまれる。

今回は2019年1月25日・金曜日・19時30分開演。終演はなんだかんだ21時オーバー。会場退館時刻との兼ね合いも。

年末年始は忙しいし、2月3月は雪が怖いし1月下旬なら万事OKじゃね?」と選んだ1月25日。……だったんですけど思っくそ試験期間。学生の皆さんほぼ来れず。恩師の方々も学内試験・大学入試等でほぼ来れず。1月下旬、まじオススメしない。

会場

何はともあれ真っ先に抑えるべき。今回は1年くらい前に会場予約。

立地、会場費、ピアノの種類、会場の広さ、キャパ、スタッフさんにはお手伝いをお願いできるか。

キャパは、会場の広さによって必ずしも満席=良いとは限らない。例えばMAX50の席が用意できたとしても、お客さんにとっては席が50も並んでいる状態が居心地良いとは限らない。

マイク、調律、そのほかは後からでもたぶん大丈夫。調律に関しては、演奏会前の直近でいつ行われる予定か、調律師は指名できるかなどを確認しておくとよい。

曲目

目玉になるもの=コンサートの要となる楽曲だけ先に決めて、あとは「そのほか」などでぼかしておくのもあり。当日のお楽しみがあってもいいし、真面目な話、早めに全曲出しても後で「やっぱり違う曲がいい」となる可能性大。

今回忘れたけどフライヤーに「曲目は変更の可能性あり」の文面を入れておくの大事。

チケット代

まじ悩む。いろんなパターンあり。今回は、

  • 一般 ¥2,500
  • 学生 ¥2,000

にしたのは良かったが、

  • 当日 +500

これが非常に曲者で、まずフライヤーに表記するのがめんどい。わかりにくい。しかも今回ハガキサイズだったのでまじ収まらない。しかも四苦八苦してようやく入稿して拡散した途端、まさかの痛恨のミス発覚。死。

フライヤー・オモテ面。デザインと情報記載の鬩ぎ合い。詳細は次項。

フライヤー

こいつがいないと何も決まらない・何もできない・告知できない困ったちゃん。

本当はきちんとデザイナーにお願いし、どんなコンサートにするのかなど話しながら決定したいところ。自分でやる場合、タイトル決まらなくても、フライヤー作り始めるうちに降ってきたりするので、ともかくまずはパソコンの前に座ることから始めてお願い。

[box04 title=”ハガキサイズの是非”]

ハガキというだけでちょっとシャレオツっぽい、持ち運び良し、でもやっぱり字面が小さい。地図も小さい。

印刷部数がギリギリ足りない→泣く泣く100枚も増刷→大量に余る、というパターンだったので当日配るとかすればよかった。

[/box04]

▼こちらはフライヤー作成後に気がついて、プログラム作成時に参考にしたありがたいnote。

フライヤーデザイン〜表面レイアウト〜|aoyamana|note

タイトル

決まらねーよ何も降ってこねえよちくしょう!! ってフライヤー作りながら泣いてた。

チケット

チケット(紙)そもそもいらなくね?

と思いながらも不安なので作る。フライヤーがハガキサイズだから招待状代わりにできるし、そもそも全席自由だし……メリットは事前に精算ができることくらいか?

電子チケットの導入は手数料とかなんとかさっぱりで、当日受付準備も大変そうだったので断念。オススメの電子チケットサービスあったら教えてプリーズ。

パスマーケット最高です。電子チケットなら間違いなくこれをおすすめします。

いざ、コンサート告知

したのは良かったものの、窓口多すぎ問題。

Twitter、facebook、instagram、LINE、メール……

予約受付の窓口が多すぎて管理が大変だった。ともかく予約の連絡がきたらすぐその場で、予約名簿にメモ。あとあとどうせ印刷するので、excel系のソフトに直打ちがいい。Google Driveおすすめ。

https://ayako-kato.com/google_drive_musician

あと、Facebookのイベントページはなくても良かった気がする。中には、イベントページの「参加予定」ポチって予約したつもりになってしまう方もいるかもしれないし、客層によってはいっそ作らない選択肢もあり。

コンサート当日までに手配・準備する人や物

  1. 当日スタッフ
  2. 撮影(カメラマン)
  3. 予約名簿
  4. 試演会
  5. 招待席
  6. プログラム
  7. アンケート
  8. アンケート用クリップペン
  9. お茶菓子
  10. 筆記用具

以下、各項目について詳細。

当日スタッフ

会場の動線によって兼任できるものもあれば、できないものもある。受付は二人は絶対に必要。お仕事は大体以下のような感じ。

  • 譜めくり
  • 受付
  • ドアマン
  • 照明
  • お茶菓子を振る舞う

撮影(カメラマン)

写真や映像の撮影。今回は断念。ていうか準備遅すぎた。会場によっては簡単な撮影をしてくれる場所も多いので事前確認を。のちのちガチな映像を作りたいなら、会場と日取りを決めた時点でカメラマンも手配すべし。

予約名簿

五十音順・大きな字で作成すべし。2Pに渡ってもいいから。まじで。

下記項目がぱっと見でわかるように。

  • 精算状態(チケット渡し済み/未精算etc…)
  • 枚数
  • 招待券・学生券あればそれらの有無
  • フリガナ

もしくは、封筒に一人ずつ名前と枚数書いて並べておくのも◎。そっちの方が楽かも?

試演会

言わずもがな。ようするにゲネプロ。人前で何度か本番通りやっとく。

招待席

今回はダイレクト招待チケットメールを強行したけれど、本当は招待状を出す→当日招待状とチケット引き換えという流れらしい。らしい。

ただ、万が一招待したお相手方からお返事のなかった場合、いつまで招待席をキープするのか、それとも当日券として解放するのか、結局どうするべきかは結論が出なかった。よいアイデアがあったら誰か教えてプリーズ。

プログラム

死。自家製プリンタでは両面印刷5枚のセットを65部刷るのに、合計3時間はかかった(もっとかかったかも)。黒インクが一瞬で蒸発するので予備は常にストックしておくべし。インク代とか手間とか考えるともしかして印刷所に入稿する方がいいんじゃね……?

MAX来場者数+10くらいは刷っておいた方がいい。

本番当日、会場へ向かう直前まで刷っていたので、ホッチキス製本を会場で決行。が、緊張のあまり手が震えてまともに止められず。当日の自分なんて大概あてにならない。後、アンケート(あれば他フライヤーも)挟み込むのも忘れずに。

今回、A4サイズで平綴じにしたけど、B5の方が良かったかもしれない。それか中綴じとか。Pagesで中綴じの方法調べとこ……

一応PDFデータ貼っとくよ

プログラムについては、けっこういろいろ考えているので、ぜひasunoneに寄稿させていただいた記事をご参考ください。

アンケート

同上。項目は10程度にまとめたいところだが聞きたいことが山ほどあるのでどうにも難しい。今回は、

  • 演奏会を知った・行くと決めたきっかけ
  • 時間帯
  • 演奏内容・時間
  • もっともよかった曲目
  • 即興演奏はアリかナシか
  • 次回リクエスト
  • 自由な感想

演奏会後、「年齢層」「普段聞く音楽」など聞くと客層調査になるとのご指摘をいただく。今後はぜひそれも追加で。後述するアンケート用クリップペンのご用意もお忘れなく……

アンケート用クリップペン

こういうやつ。

ドンキとか100均で買えるでしょと余裕こいてたら死んだ。どこにも売ってない。

通販間に合わなかったので、今回は家にあった鉛筆ボールペン総動員、アナログに削りまくったがそれでも全く足りず。何に使うかわからないので常備しておくとまじでいいと思います。

お茶菓子

OMOTENASI。あると喜んでもらえるし、ある程度リラックスして全編通して聴いていただけるのではと思われる。アンケートでも「よかった」多数。ただし、

  • ティーバッグ、インスタントコーヒーなど各種飲料
  • コーヒーフレッシュやお砂糖
  • お菓子
  • 個別包装
  • 紙皿
  • 紙コップ

これらに加えて配っていただく人件費がかかるので、決行するならそこは覚悟。

インスタントコーヒーは、粉をカップに入れてお湯を注ぐだけで配れるので便利。

お茶だとコーヒーフレッシュやお砂糖といった気遣いがなくて済むけれど、お茶が飲めない人のことを考えるとやっぱり紅茶やコーヒーも揃えた方がいい。

前日までにお菓子を選んで一つずつ包んで(同じような組み合わせに偏らないようにして)、どうやって当日持ち込むかも鬼門。大量。人手がいる。

会場との打ち合わせも必要。休憩に配るのは鉄板として、いつどうやって誰が配るのか、コーヒーを入れてからお盆に載せるのか、お砂糖お菓子はセルフか、などなど、会場の人と配るスタッフさんが直接相談するが吉。早め早めの準備をば。

筆記用具

何かと必要になる。

  • ボールペン、鉛筆(何本あってもいい)
  • サインペン
  • 消しゴム
  • テープ類(製本テープ、ガムテープ、普通のテープ)
  • リボン(招待席用)
  • お預かりもの用付箋
  • ホッチキス(予備の芯も大量に)
  • 白紙、メモ用紙
  • ハサミ
  • 定規

お釣り

当日、会場着いてから両替すればいいよねと舐めていたら15時で両替機が停止。各地のドンキやコンビニで500円玉をせっせと作る母の姿にALLDAYS3丁目の夕日まじごめんなさい。

コンサート当日の流れ

  1. 楽屋・会場入り
  2. 各種支払い
  3. 打ち合わせ
  4. 開場・受付準備

楽屋・会場入り

今回は開場3時間前に会場入り。もう1時間前でもよかったかも。楽屋も会場入りと同時に開けてもらう方が精神的には楽。ただし使用料はかかる。

各種支払い

スタッフさんへの謝礼、伴奏代、会場費ピアノ調律代etc。会場入りしたらその場ですぐ渡すべし。

事前に合わせなどで渡せるものがあるなら、その時に渡すのでもいい。ともかく終演後はやめておけわかんなくなるから。

打ち合わせ

ステマネ受付など、どの程度会場のスタッフに手伝ってもらえるか、会場の方針によって違う。事前にある程度聞いておく。

タイムスケジュールを作れたらいいかもしれないけど、プログラムだけでも余分にあればメモ代わりに渡せる。どんな演奏会・どんな会場でも大概行ってびっくりなことが1つはある。やっぱり早めの会場入りがいい。

開場・受付準備

受付に置くもの。

  • 名簿
  • チケット
  • ※プログラム
  • 筆記用具
  • お釣り箱
  • お会計箱
  • すぐ連絡できる何かしらの手段

19時開場なら15分前には受付入りしてもらうこと。プログラム配布については後述。

お釣り箱は100均のワンプッシュ小物ケースがマジで優秀。

[box04 title=”プログラムは受付?客席?”]

プログラムを客席に置くと、受付の負担がそれだけで楽になる。のだが、万が一部数が足りていないと、置いてない椅子が目立つand空席かと思われるなど無駄な気遣いをさせてしまうので、余裕を持った印刷をまじで本当に。

[/box04]

コンサート当日、余裕があれば持って行った方がいいもの

裁縫道具

いざという時の自決用兼ドレス直し。

楽屋用のお菓子

あるとなんやかんや和む。除菌ティッシュ・ウェットティッシュも楽屋にあると何かと便利。

パソコン

万能器具すぎて何に使えるかわからないので持っていけたら。

譜面台

万が一、ということを考えて普段自分が使っている折りたたみ譜面台を持参するのもあり。

そのほか雑感

楽屋

終演後すぐ退館とかザラなのでできるだけ散らかすな。

お預かりもの

受付で預かる→どこに保管する? どこでお名前書いてもらう?

今回は受付の向かいにちょうどテーブルがあったので、そこに「お名前をお書きください」的な張り紙と付箋・筆記用具を設置。

行き帰りは車で

ともかく手荷物多いので、行き来は車で。免許はやく取ろ……

弱音器会場に置いてきた

演奏中、譜面台に置くようにしていたら物の見事に持ち帰るの忘れました。

結論:ぼっちはつらいよ

当日は演奏に集中したいのは山々だけど、ソロリサイタルでそれはほぼ無理。

こういうプレッシャーが半端ない本番だけでも、マネージャー的な人を雇うのも手かもしれない。孤独だし。誰にも相談できないし。フライヤーの確認とか、メールフォームの確認とか、プログラムの誤字脱字確認とか、ご予約受注とか予約リスト作成とか会場とのやりとりとか。

メールひとつ送るにもMPガンガン減るメンタル豆腐人間なので、演奏以外ですり減る場面がちょっと多すぎて、そういう意味で1月は死んでた。当日は緊張に加えて「あれやったっけこれやったっけ」状態で頭回らず。計画性ゼロ。

 

というわけで、俺の屍を越えてゆけ。困ったときは素直に誰かに相談しようね。 あやこ