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音楽家向け・Googleドライブの使い方─オンラインレッスン、コンサート企画のお供に

テレワークが推奨されるいま、Googleドライブがオンラインレッスンやコンサート企画(自主企画公演)に便利かと思うので、簡単なガイドを書いてみます。

Google ドライブ – 写真やドキュメントなど、ファイルのクラウド ストレージとバックアップ

※執筆者はMac OS Catalina使用。

【保存版】コンサート、リサイタル開催までの流れ─俺の屍を越えてゆけ初ソロ・リサイタルを開催するまでの流れや反省点を、自分用にメモ。コンサート・演奏会の開き方がわからん、リサイタル開催したいけどチビリそう...
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そもそもGoogleドライブって何?

Googleドライブとは、簡単に言うと、画像・文書・音源などのファイルを、インターネット上に15GBまで保存・共有しておくことができるサービスのこと。

引用元: https://www.google.com/drive/ 「Googleドライブ」利用開始画面。画面左「パーソナル」プランを選べば、無料で15GBの保存容量が利用できる

パソコンやスマホの容量を圧迫せずに済むので、すでにメイン・またはバックアップとして、個人的に利用している人も多いかもしれません。

ほかにも「iCloud」「DropBox」などの類似サービスがありますが、無料でこの容量、さらに、特に用はなくとも多くの人が持っているであろうGoogleアカウントで簡単に使えるという、マジョリティの暴力たるや、すさまじいものがあります。

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音楽家がGoogleドライブで何をするの?

個人的な用途だけでも、

  • 動画や写真、楽譜など各種ファイルの保管(バックアップ)
  • 生活費や経費などのメモ・計算
  • 練習ノート

などが浮かびますが、なんといっても強みは、「アップロードしたファイルを他者と共有し、共同編集できる」こと。

あるファイルを作成した自分だけが閲覧・編集できるのではなく、指定した誰か──生徒、共演者、スタッフetc──も、閲覧・編集できて、リアルタイムでその変化を追うことができます。

例えば、コンサート(いまなら配信ライブなど)を企画するさいには、

  • 楽譜・プロフィール写真やプロフィール文・フライヤーなどを簡単に共有できる
  • プログラムノートや来場者名簿など、関連書類を共同で閲覧・編集できる
  • 一度決めた公演情報(日時、会場、入場料など)をいつでも簡単に見返すことができ、コピペすることができる
  • ドライブ上で行ったメンバーとのやりとりが、そのまま議事録になる

もちろん、オンラインレッスンや音楽教室などでも応用が効きます。生徒にチェックしてほしい動画を上げたり、エクササイズの譜面を共有したり、講師を複数抱えている教室なら、出欠簿管理にも。

他にもアイデア次第でいろんな用途があると思います。いずれにせよ、面倒なやりとりなく・1箇所にまとめて・無料で・保存期限なしで、コンサートに関するさまざまなファイルを共有し、必要であれば編集することもできる。はっきりいって、ラインやグループ・メッセンジャーで共有するより楽です。

演奏会用にフォルダを作成した例。

「なぜラインやメッセンジャーより楽なのか?」というと、

  • ライン・メッセンジャー上では直接ファイルを編集できない(簡単な画像加工しかできない)
  • 必要な情報やファイルを、キーワード検索などで簡単に見つけることができない
  • ラインの「ノート」機能は、ノート作成者しかあとから編集できない・ほかのメンバーはコメントしかできない。メッセンジャーにはそもそもノートがない
  • ラインは共有した画像やファイルに保存期限がある(メッセンジャーには一応ないはず)

反面、Googleドライブではファイルをキーワード検索できるほか、ストレージサービスなのでもちろん保管期限がなく、うっかりダウンロードし忘れた! なんてこともない。Googleがサービス終了しない限り半永久的に保管が可能。強い。

音楽家のためのGoogleドライブ・使い方① 基本操作(ファイルの新規作成)

まずは基本操作から。いちばんよく使うであろう書類(『Googleドキュメント』)ファイルを作成してみます。

「Googleドキュメント」ファイル新規作成の流れ

  1. Googleドライブ・トップ画面で「新規」
  2. 「Googleドキュメント」をクリック

「Googleドキュメント」ファイル新規作成・解説(画像付き)

画面左上の「新規」をクリック
「Googleドキュメント」をクリック

これでGoogleドキュメントの新規ファイル(空白ファイル)を作成できました。

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音楽家のためのGoogleドライブ・使い方② プロフィール文・画像を共有

まいど付き物「プロフィール送って!」。全員まとめて【プロフィール】と名付けたGoogleドキュメントに貼っつけてもらいましょう。

  1. Googleドライブ・トップ画面で「新規」「Googleドキュメント」
  2. 出演者がそれぞれプロフィールをはっつける。

あとから変更したくなっても、出演者本人の手でこっそり修正できます。(=変更のたび、プログラム執筆者や広報の手を煩わさずに済む)。ただし、フライヤー・プログラムノートの進捗次第では、ちゃんと報告しておきましょう。

音楽家のためのGoogleドライブ・使い方③ コピペ用メモを作成する

公演概要や関連URL・問い合わせ先を一つのファイルにまとめておけば、いちいち手入力せずとも全員コピペで解決。なんなら告知用の文も書いておくといい。

  1. Googleドライブ・トップ画面で「新規」「Googleドキュメント」
  2. みんながそれぞれ必要な情報をはっつける。

ともかく、関係者各位、それぞれが文面を考えて手打ちする手間が省ける精神的ストレスも減る。いいことづくめです。

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音楽家のためのGoogleドライブ・使い方④ 会場候補、曲目、各曲の演奏時間…気になる情報はぜんぶメモ&シェア

ああでもないこうでもない、と情報が煩雑になりがちな会場候補、各出演者・各曲の演奏時間なども、ひとつのドキュメントにまとめておくことができます。とくに会場候補は基本的な情報(利用料金、客席数、最寄駅など)をみんなで持ち寄ってメモしておくと、公演終了後も役に立ちます。

  1. Googleドライブ・トップ画面で「新規」「Googleドキュメント」
  2. みんながそれぞれ必要な情報をはっつける。

音楽家のためのGoogleドライブ・使い方⑤ コンサート運営の反省メモに

めまぐるしい準備期間〜終演、リハーサル日程やコンサート運営など、「ここはこうすればよかったのでは?」と思うことがあるかもしれない。そんなときは、みんなでボッコボコに書き殴れる、サンドバック・ドキュメントをあらかじめ用意しておきましょう。

  1. Googleドライブ・トップ画面で「新規」「Googleドキュメント」(タイトルは『気づいたことメモ』とか)
  2. みんながそれぞれ思いつくそばからドキュメントに書き殴る
基本的な操作方法はWordやPagesとそう変わらず、箇条書きや見出し機能も使えます。

一区切りついたあとは、このメモを整理しつつ次回に向けた話し合いができる。メッセージのやりとりでタイムライン駄々流しするよりずっと効率的だと思います。

音楽家のためのGoogleドライブ・使い方⑥ Googleドキュメント「コメント機能」で簡単な議事録を作る

ある日、共演者同士の仮想やりとり(on LINE)。

A「今度の演奏会、チケット値段どうします? おれは2,500円でええと思うんだけど」

B「私は3,000円だなあ、なぜなら〜」

A「うーん、でもおれは〜」

– 3時間後 –

遅れてやってきたC「どうしよう、おれ2,000円派なんだけど、今から言うべき?😇」

C「あと、正直Aさんが言ってることよくわからん。でもいまから蒸し返すのもな……」

C「あと、前に『チケット値段はこうしよう』って話出てなかったっけ? でもどこに書いてあったっけ……タイムラインさかのぼらなきゃ……あ、でもいきなり長文投稿とかドン引きされるかな…………メンドクセ」

😇

むり。いやほんとむり。ラインのグループほんっっっっっっっっとむり。とくに、朝起きて未読が10も20もたまってるグループとか見れない。だってスマホでタイムライン遡って細かい文字おっかけてそこからまた自分の考えを空気ぶち壊さないように述べるとか、難易度高すぎる。

というわけで、そのへんのやりとりもGoogleドライブ上で議事録っぽくやっちまおう。少し長いですが、画像を見ながらどうぞ。

Googleドキュメント・コメント機能の流れ

Googleドキュメントの「コメント」機能を使います。まずは流れを箇条書き。

  1. Googleドライブ・トップ画面で「新規」「Googleドキュメント」
  2. Aが提案を書く(チケット値段は○○、会場は△△etc…)
  3. Bが気になる箇所をドラッグ
  4. ドラッグしたままcommand+option+C、または画面上部の「挿入」「コメントを追加」
  5. Bがコメントを入力
  6. Aがそのコメントに返信を入力
  7. 手順⑦と⑧を繰り返し、結論が出たら「解決」

Googleドキュメント・コメント機能の使い方(画像付き)

例によってメニュー画面から、「新規作成」「Googleドキュメント」と進み、ドキュメントファイルを新規作成しましょう。

今回はチケット値段と開演時刻を書いてみました。ここにコメントをつけていきます。

気になる箇所をドラッグ。
「挿入」→「コメント」(もしくはcommand+option+M)
ドラッグした部分が黄色くハイライトされ、右側にコメント欄が現れるので、自分の意見を記入してみましょう。
また、コメントに対して返信することもできます。
結論が出たらコメント欄の「解決」をクリックすると、コメントが画面から消えます。

 

複数箇所にコメントがついている場合。コメントがついている箇所が黄色くハイライトされるため、どこが議題になっているかわかりやすい。返信するにはハイライト部分かコメント欄をクリックすればOK。

Googleドキュメント・コメントのメリット

このみんなで編集できるコメント機能のメリットは、

  • どんなやりとりがあったか、なんの話をしていたのか、必要な情報がひと目でわかる。
  • タイムラインを遡る必要がない。(ドキュメント内の情報を検索することもできる)
  • =あとから追いついてもコメントしやすい
  • =決定後も、「あれ、どうなったっけ?」といちいち聞き返すことなく、コメント履歴を見ればわかる。

ということ。改めてまとめ直さなくても議事録代わりになります。空気読めるかどうかも気にしなくていい。

「解決」したコメントも、画面右上の吹き出しからいつでも確認できます。

音楽家のためのGoogleドライブ・使い方⑦ プログラムノートを共同編集する

ジョイント・リサイタルなど、複数の執筆者(出演者)がいる場合のプログラムノート編集に便利。執筆者によって文体が違ったり、細かな表記がずれていたり、あとから修正が来たり……これも、コメント機能を使うとスムーズでしょう。

  1. Googleドライブ・トップ画面で「新規」「Googleドキュメント」
  2. Aが提案を書く
  3. Bが気になる箇所をドラッグ
  4. ドラッグしたままcommand+option+C、または画面上部の「挿入」「コメントを追加」
  5. Bがコメントを入力
  6. Aがそのコメントに返信を入力
  7. 手順⑦と⑧を繰り返し、結論が出たら「解決」

音楽家のためのGoogleドライブ・使い方⑧ コンサートの売り上げ・各種経費などの管理に(Googleスプレッドシート)

お次はGoogleスプレッドシート。みんなだいすきエクセルのGoogle版ですが、大丈夫、たとえばチケット売り上げの計算がしたいのなら、下記の通り操作すればOKです。

  1. Googleドライブ・トップ画面で「新規」「Googleスプレッドシート」
  2. ヨコに項目・タテに氏名や値を入力
  3. 合計値を出したい範囲ドラッグ
  4. 「挿入」「関数」「SUM」
  5. 「Enter」キーを押す
  6. あっというまに計算完了!

画像解説

メニュー画面「新規」をクリックし、今度は「Googleスプレッドシート」をクリック。
まっさらなスプレッドシートが作成されます。
左から「お名前」「枚数」「金額」として、タテに氏名や値を入れていきます。
計算したい範囲をドラッグ(図は下一行ぶん余分です)
「挿入」→「関数」→「SUM」
なんか出るけど無視して「Enter」キーを押す。
合計値が出ました。おめでとう!

これで、売り上げを管理しつつ、来場者名簿も作成できます。必要なら印刷もできますし、例によっていちいち「なんとかさん○枚売れました!」「なんとかさん今月欠席1回です!」などと報告せず、各々が勝手に記入していけばいいので楽チンです。

ちなみに、Googleスプレッドシートにはほかにも便利な機能や関数があるので、得意な方はぜひ。

終演後もすべてのファイルを見返すことができる

そうして積み上げられたファイル群は、あとから見返すことができます。つまり、

「そういやあの公演のときはどうやったっけ」「あのときはどうしてこの値段設定にしたんだっけ」「あ〜なんか似たような状況になったことがあるけど、どうやって解決したっけ……」

なんてときも、ドライブのファイルを検索して、見返すことができます。

とりわけ、自主企画公演にしろ生配信ライブにしろ、このノウハウの共有はいかんともしがたいところがあり、みんなやってるはずなんだけど、これ、どうしてんだろ?──みたいな、かゆいところがいっぱいあります。せっかく身につけた知恵と経験、いつでも取り出せるようにしておけたら、便利だと思います。

音楽家がGoogleドライブを活用するコツ

細々、ちょっとした活用のコツ、注意点など。

ファイル名はわかりやすく!

Googleドライブはファイル名で検索をかけることができます。そのため、共有者全員がすぐ覚えられるような、わかりやすいファイル名を使うようにしましょう。

ex: プログラムノート 反省メモ 経費 チケット売り上げ コピペ用メモ etc…

画面上部の検索欄より、ドライブ内のファイルをキーワード検索できます。

ファイル・フォルダの整頓もわかりやすく!

どんどん増えていくファイルを、どうやって整頓するか。自分だけでなく他の人も使うので、無駄にフォルダを作りすぎず最低限の階層分けにしたほうがいいと思います。

ファイル・フォルダの過度な細分化はおすすめしません。ぱっと見整頓できて気持ちがいいですが、結局、何かといちいち違うファイルにアクセスするのが面倒です。

例えば、コピペ用の情報は、「公演概要」「SNS」などと個別のファイルを作るのではなく、同じファイルにまとめておいたほうがよいでしょう。プロフィール文章も、よほど出演者が多くない限りは、全員分を同じドキュメントに貼り付けた方がよいでしょう。ドキュメント内でもcommand+fでワード検索が可能です。

わかりやすく、簡潔に、一目見て「このファイルはここ」と判別できるようなフォルダ作りを。

編集前・後がわかるようにコメント機能を使おう

「あとから、みんなが見返すことができる」のが、Googleドライブのキモだと私は思っています。なので、できるかぎりやりとりや編集の痕跡がわかるよう、残しておきましょう。つまり、簡単にファイルや文面を削除・上書きしないほうがいい、ということ。

どうしても追い切れないほどコメントや編集が増えてきたら、「まとめ用」のファイルを新たに作り、いったん清書すればOK。「この決定は、こういうやりとりがあったからなされた」という事実を確認できることが重要。

共有ファイルの閲覧・編集は各自のGoogleアカウントで行おう

Googleドライブを利用する場合、共有方法は二通りあります。

  1. アカウントAがドライブを立ち上げる→Aに各自ログインして閲覧・編集する
  2. アカウントAがドライブを立ち上げる→Aから各アカウントに閲覧・編集の招待を送る

基本的には②をおすすめします。Googleドライブ上では「どのアカウントが、いつ、このファイルを編集したか」という履歴を確認することができ、それによって、編集する都度「おれが編集したよ!」と報告する手間が省けるからです。

②の場合、Aさんから招待されたファイルは「共有アイテム」より閲覧・編集ができます。

スマホアプリも使おう

Googleドライブのスマホアプリも、使い心地Good。スマホからサクサク編集できます。App StoreまたはGoogle Storeからどうぞ。

画像は圧縮してアップロードしよう

いくら元々の保存容量が15GBとはいえ、何度も公演を重ねれば圧迫されていきます。とくに画像。とくにPNG。というわけで、こういうサイトでささっと圧縮してからアップロードしてあげるのが親切です。

ちなみに、これがシリーズ物の公演だった場合、次回公演でもこれらのプロフィール文・画像を再利用することが可能(もちろん、出演者にきちんと確認した上で)。

いちいちアップロード→保存→編集ファイルに取り込み、というような手順を踏まなくても、少なくともフライヤーやプログラムノートの骨子くらいは早い段階で作成できます。

おわりに──音楽以外のストレスを少しでも減らすために

Googleドライブ、ひとたび使ってみると、音楽以外のいろんなことがあっという間に効率化できます。少なくとも私は、モノも情報も整理整頓できないダメ人間なので、人とのやりとりをこうして可視化できることがありがたい。

とくに、自主企画公演や教室の発表会準備に追われているときは、みんな切羽詰まっているので、「あれどうしたっけ?」「あのファイルどこ!?」というストレスを少しでも軽減できるのでは……と思います。音楽を仕事にしている方は、とりあえずドライブを立ち上げるところまで、やってみるだけでも楽しいと思います。

いまは便利な世の中で、Googleドライブ以外にも、話題のZoomとかSlack(ラインのビジネス版みたいなやつ)とか、いろんなツールが転がっています。あまり手を広げすぎて時間を取られては本末転倒ですが、「いつもやってるこのやりとり、気が重い……」みたいなときは、ちょっと調べてみると道が開けるかもしれません。たのしい音楽家テレワークを。