ヴァイオリニストのためのフィクション
加藤綾子 ソロ・リサイタル・シリーズ
Fiction for violinist – AYAKO KATO, Solo recital series
加藤綾子、2年ぶりの無伴奏リサイタル
「このヴァイオリニストはすべてフィクションです。」
クラシック〜現代音楽作品の実演や、即興パフォーマンスなどを通して、
他者と“わたし”、交錯する身体を考察する
ヴァイオリニスト・加藤綾子による独奏リサイタル。
さまざまな国、時代、スタイルの作品(フィクション)を通して、
誰かが見ていた身体とわたしの身体をまなざす。
・日時
2025年4月4日(金)
昼の部・13:00開演(12:00開場)
夜の部・19:10開演(18:30開場)
*各回90分程度(休憩込み)の上演時間を予定
**昼の部は未就学児入場OK!
・場所
小黒恵子童謡記念館
東急田園都市線 ・二子新地駅東口より徒歩約11分
高津駅西口より徒歩約13分
・演目(順不同)
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジアより
ヴァインベルク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番
林光:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
サーリアホ:ノクターン
小栗舞花:生前のバイオリン、こないだの人(初演)
チケット
一般 3000円
学生 500円
未就学児 入場無料(昼のみ)
後援:洗足学園音楽大学同窓会/都立芸術高等学校同窓会 緋水/「音楽のまち・かわさき」推進協議会
About Maika OGURI’s WORK
小栗舞花『生前のバイオリン、こないだの人』
譜面冒頭「はじめに」より
文:小栗舞花(作曲家)
Text by Maika OGURI (Composer)
この譜面には2人で演奏される音楽がおさめられていますが、 「マイナスワン」で演奏されることを正式な上演スタイルとします。よりカジュアルな上演スタイルとしてデュオでの上演も可能です。
演奏家は、日頃、いろんなことに気を配って演奏をします。最後の響きが消える瞬間までしっかり聴いている演奏とそうでない演奏はちがいます。これから発するその一音をどこまで響かせるイメージを持っているかで音は変わります。演奏家の隅々までの気の配り方は聴衆にも伝わる、と教わったことがあります。
同じように、何を込めて演奏しているかによって音は変わります。誰に向けて音を発しているかによって音は変わります。今この空間の何を聴いているのか、何に反応して音を出すことになったのかによって音は変わります。
見えないものの声をきき、見えないものに促される、その発音や耳の指向の特殊さがこの音楽作品の核をなします。
この作品では、音や人は決して観客を喜ばせるためにありません。良い音楽・良い音は観客のためにあるのではなく、自分自身の歓びのためにあります。そのつもりで発露した音楽に観客は「出会う」のです。その「出会い」を観客は楽しむことができます。
さいごに、編成における「ヴァイオリニスト」は世の中に「ヴァイオリニスト」がいる限り続く代替可能な存在ですが、 「小栗舞花」は長くてもたった数十年しか生きません。
「小栗舞花」が過去の人になったとき、音楽を辞めていたときなど、 「小栗舞花」の不在をもって、この作品は本当の意味で「マイナスワン」になります。そのときは、あなたなりの「小栗舞花」をあなたのそばに降ろしてください。
……では、 「ヴァイオリン」と「ヴァイオリニスト」はどちらが長生きするでしょう?
PROGRAM NOTE
解説:加藤綾子、小栗舞花(新作)
Text by Ayako KATO* *in Japanese only
COMING SOON…
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