クラシック音楽

クラシックができるなら即興演奏もできる、という仮説

即興演奏やってみない?

と持ち掛けたとき、ダントツで反応が悪いのがクラシック音楽を学んでいるひとたちです。

 

「譜面見て弾くことならできるけど~……」

「作曲なんてできないし~……」

みたいな反応が非常に多い。しかもそのくせ、内心では「即興演奏できたらカッコいいのにな~」とか、「即興演奏やってみてぜんぜんできなかったら恥ずかしいし~」とか思ってたりする。ええ、かつての私のことです。

 

というわけで本日のお題は、

クラシック音楽ができるなら即興演奏だってできるもん!

です。

そもそも、クラシック音楽だって即興演奏だろ!

クラシック音楽は『譜面』があるから形にはまっている

よく言うやつです。クラシック音楽は「譜面通りに弾く」ことが大事、とかなんとか。

じゃあ、たとえば本番。

譜面通りで練習通り・リハーサル通り、なんてことがあるだろうか。少なくとも、わたしはゼロです。

自分が思い描いていたとおり、仲間と打ち合わせたとおり、「まったく想定通りに音楽が進行する本番」なんて、演奏者が人間である以上ありえません。

 

つまり、 多かれ少なかれ、クラシック音楽は即興演奏的な要素を含んでいます。

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『聴く』ことも『考える』ことも同じ

そして、「本番になったらリハーサルと違う音楽が生まれてしまった」というとき、頼りになるのは、いったい何か。

もちろん、演奏者自身がいままでさらってきた練習量とか、根性とか、いろいろあるわかですが、最終的になっていちばん頼りになるのは、「耳」「脳みそ」です。

 

いつもと違う音楽。いつもと違う演奏。いつもと違う空気。

それらを本番中、演奏しながら「聴く」こと。

そして、聴いている音が表現したいこと・行きたい先を「考える」こと。

これって、即興演奏でもやることは同じです。耳の使いかたも頭の使いかたも、クラシック音楽と即興演奏は、基本的に同じです。違いといったら譜面の有無くらい。

ということはつまり、

「クラシック音楽をやっているひとは、即興演奏もできる」

という気がしてきた……してくるよな……たぶんする……しますよね?

アンサンブルが苦手な人こそ即興演奏がガチでオススメ

「いや、そもそも『周りの音を聴く』ことがニガテなんです……」

「聴いてるつもりだけど、周りがなにを考えてるのかわからないんです……」

というひとには、なおさら即興演奏をオススメします。

譜面がないぶん、周りの音や自分の音に集中できるからです。

譜面があるとどうしても自分が弾くことに気を取られてしまう、つまり、譜面に頼ってしまう。

が、即興演奏ではそのよりどころが「譜面」から「音」に移ります。自分の耳と脳みそだけが頼りになるわけです。

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バロックでもロマン派でもない、「自分のことば」

「でも、楽譜もないのになんの音を弾けばいいのかなんてわからないし~……」

という人は、ちょうどいい機会なので、「クラシック音楽」という服を脱ぎ捨て、裸一貫、「自分のなかの音楽」=「自分のことば」と向き合ってみましょう。

 

あなたが「自分の音楽」=「自分のことば」だと思っている、クラシック音楽。

でも、それだけではない。大抵の人は皆、クラシックでもジャズでも邦楽でもない、「自分のことば」を持っています。

さらに言えば、即興演奏では、たとえ同じ「クラシック語」話すひと同士でも、違う「ことば」で対話することになります。だって、モーツァルトが好きなひととバルトークが好きなひとでは、当然、話すことばが違いますよね。

そうしたふたりが即興演奏で対話したとき、どこかで、臨界点を超える瞬間がかならず訪れます。それまで頼っていた「異国のことば」では対処しきれなくなる瞬間が

「えっ、やばいこれ今どうなってるのこれ以上どうすればいいの!?」

と背水の陣に追い込まれたときこそ、あなたが「自分のことば」を見つけるチャンスでもある。即興演奏で、一度、自分の音楽を一緒に探してみてはいかがでしょう,

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加藤 綾子
ヴァイオリニスト。 BIOGRAPHY
《ムジカコスモス》on YouTube.

森下由貴・加藤綾子によるヴァイオリン二重奏コンサート、《ムジカコスモス》のYouTubeチャンネルが公開。公演ダイジェスト、貴重なレパートリーのフル動画も収録予定です。

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