ベルギー現地での滞在許可証申請の流れ(2019/留学生向け/ナミュール)

ベルギー現地での滞在許可証(IDカード)の取り方を、流れに沿ってメモっています。

[box04 title=”執筆者スペック”]
  • ナミュールの音楽院に2019年9月より在籍、合格証明書を受取済み
  • 長期学生ビザ(タイプD)取得済み
  • 2019年8月末にベルギー入国
  • アパートはほぼ決まっていたが、9月1日から入居予定だった(賃貸契約は結んでいなかった)
  • 2019/10/17 滞在許可証取得
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前置き:ベルギー現地での滞在許可証申請と、その手続きについて

ここに記載する情報は、あくまで2019年夏のベルギー・ナミュール(フランス語圏)でのお話です。一個人、しかもフランス語初心者の体験談として、参考程度にお読みください。

滞在許可証の手続きは年々変わっていきますし、滞在する場所や、なんなら人(役員)によって言うことが違ったりするようです。必ず、自分で自分が滞在する街のHôtel de Ville(市役所)のHPを確認してください。「滞在する町名」+「titre de séjour」「etudiant étranger」「ID」などで検索すると出てきやすいと思われます。

例:ナミュールの市役所

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ベルギー・ナミュール市役所

” Étudiant non UE – Annexe 15 ” の項目が該当箇所。

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市役所で手続きを行う際も、予約が必要だったり、メールで仮滞在許可証の申請が可能な場合もあるようです。

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ナミュールのHPを見た通り、自分に必要な情報がどれか、非常にわかりにくいです。「結局自分にはどの証明書が必要で、どんな書類を用意すればいいの……?」というときは、勇気を出して市役所に直接メールすると手っ取り早いかも。

メールに返事がなければコピペで再送してもいいし、あるいはFBやTwitter、SNSからメッセージを送るのもアリ。

ちなみに、私が出国する前のVille de Namurはメールを送っても「メールボックスがいっぱいです」という見たこともねー自動返信をかましてくれて、FBのメッセンジャーからすがる思いで問い合わせたところ「ここに全部書いてあるから見てね!」と返ってきたのが上記URLでした。

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ベルギー滞在許可証発行の大まかな流れ

大まかな流れを整理しておきます。

[box04 title=”滞在許可証発行までの大まかな流れ”]
  1. 出国前に滞在許可申請に必要な書類を用意
  2. ビザ有効期間中にベルギー入国
  3. 入国後8日内に仮滞在許可証(ナミュールでは『Annex15』または単にAttestationと呼ばれる)の申請手続きを行う
  4. 仮滞在許可証の有効期限が切れる前に、警察が住居へ確認に来る。
  5. 市役所からの手紙がくるのを待つ。←私はイマココ。
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ここでは、ビザ取得を終えた前提で話を進めていきます。

①出国前、仮滞在許可証(Annexe15)申請に向けて書類を準備

日本出国までに仮滞在許可証申請に必要な書類を揃えます。といっても、ビザ申請時に提出した書類の使い回しがほとんどですが、いずれの書類も、オリジナルとコピー、両方を用意したほうがいいと思います。

[box04 title=”仮滞在許可証用に揃えた書類”]
  1. パスポート(passeport revêtu du visa D)……これがないと ベルギー に はいれないよ
  2. 証明写真3枚(3 photos d’identité récentes)……現地でも撮影できるが、学生ビザ用に撮った写真を日本で焼き増し使い回し。
  3. 保証人証明書Engagement de prise en charge)……Annexe32とあるもの。学生ビザ用の書類を使い回し。
  4. 出生証明書(acte de naissance)……ビザ申請には必要なかったので、改めて用意した書類。戸籍謄本でOK。いちおう世帯全員が記載された、法定翻訳・アポスティーユつきのオリジナルを何部か用意。
  5. 合格証明書(attestation d’inscription scolaire définitive)……メールで送られてきたPDFをカラー印刷したもの。
  6. そのほか、学生ビザ取得時に提出した書類……すべてコピーを取り、なおかつオリジナルも用意(これは在日ベルギー大使館からも指示があり、特にビザ発行手数料の支払い証明書は持って行ったほうがいいとのことでした)。
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繰り返しになりますが、いずれの書類もオリジナルとコピー、両方を持って行ったほうがいいと思います。ちなみに私の場合、仮滞在許可証の申請時にオリジナル書類を提出→その場で役所がコピーを取る→返却、という流れでした。

②ベルギー入国

念のため日本を出国する際にパスポートに押印してもらいました。(在日ベルギー大使館からも特に何も言われなかったが、ものすごく念のため)

ベルギー入国時は普通に審査を受けて入国。こちらも特に手続きはなし。

③ベルギー現地にて、仮滞在許可証(Annexe15)発行手続きへ

着いた翌日に市役所へ。この日、役所で行うのは仮滞在許可証の申請

受付→番号札を受け取り待機

機械で用件を選んで番号札を発行してもらうのですが、何を選べばいいのかさっぱりだったので受付へ。滞在許可証は「Titre de Séjour」(てぃとるどぅせじゅー)と呼ぶらしいので、そのまま受付で言ったら理解してもらえました。その場でレシートみたいな番号札をもらい(無くさないように!)、あとはひたすら、電光掲示板に番号が表示されるのを座して待つ。

おばちゃんとの会話① 「オリジナルは?」

めでたく番号が出たのでテーブルに向かうと、だるそうなおばちゃんがお出迎え。この時すでにテンパり気味の私、こっちが座ったのに何にも言ってこないおばちゃんにあたふたしていると、

「Ticket?(番号札は?)」

おばちゃんの第一声である。慌てて番号札を差し出すと、おばちゃんが続けて「Passeport」、はい存じておりますほかのもきちんと用意がございます、まずはモノクロコピーの書類を揃えて出すも、

「L’Original?(原本は?)」

やっぱそう来ますよね。ということでパスポート、Annex32、戸籍謄本。それぞれのオリジナルを、一枚ずつちんたら受け取り、ちんたらしながらどっかへ行き、どっかでコピーを取ってちんたら帰ってくるおばちゃん。

が、問題は合格証明書。こいつはオリジナルも何も、メールに添付されたPDFデータを印刷したもの。「こんなんただのコピー紙じゃないのよ」と突き返されたらどうしよう、学校に行って印刷原本を受け取ってくる、いや原本なんてそもそもあるのか、コピーもへったくれもあるか──とフランス語では言えないので、苦し紛れにモノクロではないカラー印刷の合格証明書を差し出すと、「ああ、これこれ」みたいな感じで受け取るおばちゃん。

 

いいのか。これでいいのか。オリジナルとは一体。

おばちゃんとの会話② 「住所は?」

そしてもちろん、住居のことも聞かれます。具体的には住所を聞かれたので、「えっとまだ実際には入居してなくて契約もしてないんですけど」みたいなことを言おうとするも、おばちゃんお口をあんぐり、とりあえず住所を打ち込んだスマホの画面を見せる。クリア。

あとは、ひたすらちんたらちんたら待つばかり。3枚用意していった写真はなぜか1枚しか使わずじまい。ビザ手数料の証明書も出番なしでした。(あくまで私の時は

 

最後、おばちゃんがフランス語でペラペラっとお話しになり、一音も理解できなかったのだけれど、多分「そのうちあなたの家に警察が来るから待っててね」という旨だったのだと思います。

④仮滞在許可証発行後、ベルギー警察格闘記

さて、ここからがいよいよお待ちかね、ベルギー警察格闘記の始まりである。

基本、仮滞在許可証取得後1ヶ月は待たされるらしい(後述するが人によって言うことが違います)とか、4ヶ月待たされたとかマジ警察来ない覚悟しろとか色々聞いていたものの、学校が始まる前に来れるもんなら来てほしいワガママハート。レッツテレフォネsvp!

9月9日:管轄の警察署に電話、見事アポを勝ち取る。

このサイトから管轄の警察署を検索。ちったあマシになったフランス語で電話、なんと同じ週の木曜日に警察来訪のアポを取る。めでたいので赤飯を炊く。ヒャッハァー楽勝じゃねえか!!

9月12日:アポをすっぽかされる。

 

(^q^)

 

約束(したはず)の日の朝、なんとなく不安になって管轄の警察に電話したら、「何のこと?」「誰にアポとったの?」「私に聞かれてもわからない」「ともかく待ってて」の一点張り。ええ、見事にすっぽかされました。

9月24日:ナミュール中心地区の警察署へ直談判。

9月24日。学校も始まり、さる筋から「ここにお願いしたらすぐ来てくれたよ」との情報を入手。

銀行口座の手続きで市内に出たついで、立ち寄って受付のおばちゃんに用件を伝えると曰く、

https://twitter.com/akvnimp/status/1176409575630745601?s=20

 

(^q^)

9月25日:ポリスメンは突然に 〜ベルギー警察格闘記・完〜

ところがどっこいその翌日、

 

 

(^q^)………………

 

⑤警察来訪後、市役所からの手紙待ち(9月27日)

果たして警察署直談判との因果は不明(多分偶然)。何はともあれ、警察来訪時に見せたものはパスポートだけでした。一応部屋まで上がってきましたが特に何を探るわけでもなく、世間話などしながらチャチャっと終了。

ハイテンションな警察官曰く、「市役所から手紙が届くから待っててね」とのこと。おそらく、招待状かと思われますがいかに。ここからはもうあんまり苦労はないと信じていいですか?

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警察へのアポ取りについて。管轄の警察に電話してアポを取り、実際に来てくれたという話もある模様。語学練習がてら、トライする価値はあると思います。詳しくは下記参照(外部リンク)。

[blogcard url=”https://habatakurikei.com/residencepermitbelgium/”] [/jin-iconbox06]

⑥ナミュール市役所より招待状来たる→再び市役所

さてそろそろ終わりが近づいてきた。警察訪問から待つことおよそ1週間、市役所より「10月10日の朝8時に市役所に来い」とのお達し、招待状がきます。こっちの都合なんてお構いなし。何のために行くのか当日までいまいちよくわかりませんでしたが、結局、滞在許可証の正式な発行を申請するためだった模様。今度はも少し愛想のいいお姉ちゃんにあたり、質問に答えつつ指紋を採られつつ、手数料を支払って終了。

この招待状にも、指定のブツを持参するよう書かれていたので忘れずに持っていきました。……これを書いている今、うっかり紛失してしまったのでうろ覚えですが、確か以下の通りだったと思います。

  • 送られてきた招待状
  • 仮滞在許可証(Annex15)
  • 在学証明証
  • 滞在許可証発行のための手数料
  • 写真2枚

例によって念には念を、最初の市役所訪問時に持っていったパスポートやら戸籍謄本やらなんやらも持ってったら案の定、その場で戸籍謄本も要求されたでござる。いや一回提出したはずなんですけど……まあなんだ、つまり、持ってるもんは全部持っていけっつーことですね!

⑦「滞在許可証が有効になった」と報せ→市役所にて受け取り。完!

2度目の市役所訪問からさらに1週間ほど。待っていた知らせがやってきます。輝かしい「VOTRE NOUVELLE CARTE D’ETRANGER EST DISPONIBLE」の文字。そしてカードを有効化するのに必要らしいPINコードの記載。

今回は日時指定はナシ。授業の合間を縫って市役所へ行き、仮滞在許可証と引き換えに、正式な滞在許可証をゲットしました

 

スケジュール帳を見ると10月17日に受け取った模様。最初の市役所訪問から2ヶ月足らず、長かった……けれども運がいい方だったかもしれません。

ちなみに、最後は指紋を採られるくらいで、PINコードの入力も市役所の職員がやってくれて、あっさり終了しました。拍子抜け。

補足:ベルギー・ナミュールの仮滞在許可証(Annexe15)について

ナミュールの仮滞在許可証は「Annexe15」、要するにただの書類で、A4サイズの紙に提出した証明写真と印章がガッチリ押しつけてあるものでした。有効期限とか説明とかいろいろ書いてあります。

SIMカードであったり、通信契約であったり、MOBIBであったり銀行口座であったり……ベルギー現地生活で必要な手続きは、仮滞在許可証と合格証明書のコンボで大抵こなせます。

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ただし所詮は(仮)なので、「後で正式な滞在許可証持ってきてね」と言われる場合もあります。

例えば、銀行口座の開設。私はBNP Paribas Fortという銀行で開設しましたが、一定期間内に正式な滞在許可証で再度手続きを行わないと、口座が凍結される模様。すでに家賃光熱費通信代保険料諸々、ここから落ちているので止まったら冬が越せないところでした。

https://ayako-kato.com/belgique_bank

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おまけ① ベルギー滞在許可証申請時、覚えておくといいかもしれないフランス語

私は本当にポンコツフランス語しか話せなかったのですが、多少でも言葉がわかると心なしか職員の態度も軟化してくれる気がします。気がする。

  • (m) = 男性名詞  (f) = 女性名詞

 

・Titre de Séjour(m) ……滞在許可証。「ID」「carte d’identité」など、いろんな呼び方もあるみたい?

・Hôtel de Ville(m) ……市役所。ベルギー入国後真っ先にお世話になる場所ですが、「Commune」と呼ばれている場合もある?ナミュールの市役所は「Ville de Namur」でした。

・Étudiant étranger ……直訳すると「外国人の生徒」。ベルギーから見た私たち留学生のこと。

・UE ……なんのことはない、「EU」=ヨーロッパのこと。初め何のことだかわからなくてホワッツ???ってなった。Ville de Namurでは、EU圏外から来る学生を「Étudiant non UE」と表記していました。

同じ étudiant etrangerでも色々あるのでご注意を。

・Annexe(f) ……直訳すると「付録」「付属文書」。ナミュールの仮滞在許可証もこれ。よくわかんねーですが、本丸の書類じゃないよってことでしょうか。学生ビザ申請時にも見た字面です。

・Attestation(f) ……証明書の類。仮滞在許可証にも学校証明書にも「Attestation」の文字が。

・Domicilier ……「居住証明を行う」、つまり滞在許可証関連の手続きを指すと思われ、入居や銀行開設する時によく出てきました。「Vous avez déjà domicilié ?」──「Oui, j’ai déjà fini de domicilier !」みたいな。なんかこうやって書くとすげーフランス語できる人みたいでいいですな。できません。

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困ったらグーグル先生かプチロワ先生に頼れ!

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おまけ② 参考リンク集(日本語)

ひいひい言いながら頼りにした、先人たちの貴重な日本語のページ群。ありがとうございます……ありがとうございます……

おまけ③ ベルギー・ナミュール市役所等のリンク集(フランス語)

  • Hôtel de Ville — Ville de Namur……みんな だいすき オテルドヴィる ! どんなひとがいても なかよく しようね!
  • Votre quartier|Police Namur Capitale……自分の住まいを管轄している警察署がどこか、調べることができます。こちらはナミュールの警察署のHPですが、他の都市にもあるのかな?