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聖剣伝説3のBGMが名曲揃いで語り出したら止まらない。懐かしいゲーム音楽の思い出

思い出といえば懐かしい。懐かしいといえばゲーム。ゲームといえばそのBGM。

ということで、今日は、とても個人的な思い出話をする。『聖剣伝説3』という、今は亡きスクウェア制作のスーパーファミコンのソフトである。

聖剣伝説3は1995年発売……だと……

聖剣伝説3(せいけんでんせつ3)

開発:スクウェア

販売年:1995年

ハード:スーパーファミコン

ジャンル:アクションRPG

 

音楽作曲:菊田裕樹

キャラクターデザイン:結城信輝

元はスーパーファミコンで販売された「聖剣伝説3」。2018年現在は「聖剣伝説コレクション」の中の一作としてNintendo Switchに移植されていて、1〜3までのナンバリングタイトルがこれ一つで全部遊べる。いい時代になりました。

つーか、冷静に考えて1995年発売ってやべーな……20年以上経ってるんだあ、うわー。

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私の人生を奪ったスーパーファミコン界のイケメン、聖剣伝説3

スーパーファミコン略してスーファミといえば、「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「スーパーマリオ」その他諸々、例え実機を知らなくても名前だけは知っているタイトルをわんさか生んだ、バケモノみたいなハードウェアである。

ちなみに、私はよく知らないけれど、ちょっとマイナーなものにも根強いファンが多いらしい。「ルドラの秘宝」とか「エストポリス伝記」とか「メタルスレイダーグロウリー」とか。

 

そういったツワモノ揃いのスーファミ界において、私が人生で初めて心を奪われたゲームがこの「聖剣伝説3」であり、そのグラフィックであり、キャラクターであり、シナリオであり、作り込まれたBGMだった。

聖剣伝説シリーズの音楽にハズレなし

そもそも聖剣伝説シリーズは、個人差はあれど毎作毎作「マジBGMやばい」で知られるタイトルだと思う。3の次にPSで出た「聖剣伝説LOM」も、作曲者は変わってしまったもののこれまたイイ。

 

ドミナの町に無闇やたらに出入りし、ファンタジーな世界観をぶち壊すロックなボスバトル音楽に沸き立ち、煌めきの都市をうっかり出し忘れた周回時にはすぐさまエンディングへ飛んでいきたい気分になった。懐かしい。

(実際、条件さえ満たしていればあっという間にエンディングへいけちゃうゲームなのだった。サボテンくん、どこ行っちゃったん……?)

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聖剣伝説3の音楽はとんでもない縛りプレイだった

しかしその「LOM」より時代が遡った聖剣伝説2、および3の音楽は、なかなかマゾい環境下で作られていた。以下は「聖剣伝説3 オリジナル・サウンド・ヴァージョン」のブックレットより引用。

聖剣伝説というソフトは、RPGとはいうものの、多分にアクション的要素を含んでおり、特にマルチプレーヤーという点で、効果音を作る立場としては頭が痛い。何故なら、敵味方キャラクターの各々が勝手に音を立てるため、それぞれに音源を割り振っていたのでは、あっという間にスーパーファミコンの同時発音数8音という限界をオーバーしてしまい、音楽がならなくなってしまうからである。

──菊田祐樹

要するに、スーファミは同時に8つの音しか鳴らせない。それなのに聖剣伝説はアクションRPGであるという性質上、効果音が常に8つのうちのいくつかを占めているので、必然、BGMに割ける音数には縛りが出てくる──というわけである。そして、

……(前略)結果として、効果音には後着優先で2音をアロケーションする事を決め、音楽はほとんど全ての曲を6音のみで作曲する道を選んだ。これも言うまでもなく、冒険である。この6音という数字は、一般的なフォーマットの音楽を作る音数としては、最小のものである。まずリズムトラックに2音、ベーストラックに1音は不可欠だ。すると残りは3音で、三声の和音を鳴らせば、それでお仕舞いになってしまう。

──菊田祐樹

ほほう。ちょっとメロディハモらせたら残り1声しかないし、スーファミの音質にも限界はあるし、こんな環境じゃ鳴らせる和声だってたかが知れてるし、なるほどなるほど。これなんて縛りゲー?

初めてこの文章を読んだ(=サントラを買った)のは、確か聖剣伝説3のプレイの数年後のことだったと思う。小学生の足りない脳みそで、それでも、この菊田祐樹さんの裏話にはものすごく心引かれた。

だって、幼心にあの音楽を聞いていて、「なんか物足りない」だなんて微塵も感じたことがなかった。そしてそれは、大人になったいまも変わらない。

試聴してみる

もはや芸術……聖剣伝説3のドット絵

ついでに言えば、聖剣伝説シリーズの魅力はこれだけじゃない。なんといってもグラフィックが芸術的である。公式HPを今一度見て欲しい。これ、スーファミのドット絵なんだぜ?

「聖剣伝説3」を夢中でプレイしていて、駆け回るキャラクターに木陰と日差しが写り込んでいることに気が付いた時には、「この世界に住むにはどうすればいいんだろう」と真剣に考えたもんである。

 

もちろん、2もいい。1もいい。4はお気の毒でしたね。詳しくはググって。

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聖剣伝説3のBGMの思い出について好き放題語るコーナー

というわけでずいぶん長々と書いてきたけれども、ここからは小難しい理屈とか言い回しとか取っ払って、聖剣伝説3のBGMについて思う存分語りたいと思う。

以下、完全に「ついて来れるか────」の世界になります。「聖剣伝説3」をご存知の方もそうでない方も、想像力をフルに使ってお楽しみください。

聖剣伝説3のBGMはネーミングセンスのカタマリである。

まず外せないのがそのネーミングセンス。初めて「聖剣伝説3 オリジナル・サウンド・ヴァージョン」の曲目リストを見たときかっこよすぎてチビリそうになった。ドン引きしてないでちょっと見て欲しい。

  • Can You Fly Sister?
  • Black Soup
  • Damn Damn Damn
  • Strange Medicine
  • Political Pressure

こんなん、音楽を聴いてるだけじゃ全然思い浮かばない

ほら、こういうゲームって、日本語の、漢字で引き締めた名前とかついてそうじゃないですか? それなのに「黒いスープ」とか「おかしなおクスリ」とか「ヘイそこのお嬢ちゃん、アンタ空は飛べるかい? ハハッ」みたいなタイトル、どーやって決めてるんですか? カッコよすぎ。

フィールド音楽の思い出〜「Swivel」「Nuclear Fusion」

などとまあ書いているうちに、早速思い浮かんだのが……えーと、なんだ、アレだ……ほら、野っ原駆け回ってるみたいなヤツ。「テッテッ テッテッ テッ テーレレテーレレーレレーレー」みたいな。マリンバ!シロホン!初めてのラビ!みたいな曲「Swivel」である。

聖剣伝説 ラビ聖剣伝説ザコモンスター「ラビ」の図 あやこ

 

スーファミのあの無愛想な筐体から、コロコロした音が出てくる摩訶不思議。

Bメロの笛が「テッテテッテーレテッテテレレレテーーレーー」「テーーレーー」の部分で木琴が「テレレレレレレレ↑テレレレレレレレ↓」って音階上下するとことか、思い出すだけでデュランが十文字斬りする。

 

「Nuclear Fusion」は打って変わって「立ち止まるな行け!」的なBGMである。

(ッ)テーーー (ッ)テーレレレーテーレレーーー」という、強烈な裏拍から始まるメロディ。初めて聴いたときは「何が起きた!?」とコントローラーを握りしめた。

ひとたびこの曲が流れてきたが最後、行くつくところまでテンションアゲアゲである。ローランド城取り返せ! ジェノヴァ戦行く前にちょっとレベル上げてこうぜ! リースちゃんかわいい!!

いいゲーム音楽とは、BGMとは、その音楽を思い浮かべるだけで、他の記憶が鮮明に蘇るものなのである。ポトの油にはお世話になりました。

ボスバトル音楽の思い出〜「Rolling Cradle」「Secret Of Mana」

そして、何と言っても忘れちゃいけないボスバトル時の音楽

聖剣伝説3は、当時のゲームにしてはバトル音楽の数が豊富だった。ビル&ベン戦でいろんな意味で泣きながら聞いた「Rolling Cradle」とか、バグったが最後そのセーブデータはお陀仏になってしまう恐ろしいステージのボス戦「Faith Total Machine」とか色々ある。

特に「Rolling Cradele」は個人的に相当イチオシ。スーファミの音なのにどうしてこんなに奥行きがあるのか。この曲と チュインッ キュインッ バシュッシュッシュッ という戦闘音、 ピッピッピッピッピッピッピ とリングコマンドを回す音はもはやセットである。でもカウンター攻撃は許さない。

 

それから、当時はものすごく好きだったのに、今はそうでもない音楽もある。

エロい身体つきのシェンカーとか、何より「アッハッハッハ!」と高笑いする赤い魔導師とかの、なんかぞわぞわ始まった割りにレース音楽みたいな本編の「Hightention Wire」がそれだ。ぐれんまさんのおかげで私は道を踏み外しました。

「Secret Of Mana」は2から(1もだっけ?)続く伝統的なタイトル。「マナ」というのは聖剣伝説シリーズの重要な要素。この世界における酸素みたいなもんである。

と聞くとそんなに不思議でもないタイトルなのだけど、曲の中身は非常にエキセントリックで「なんでこれにこのタイトル選んだ?」とまた疑問符が浮かぶ。このヒネ方は小学生に中二病のタネを蒔くには十分すぎた。罪。

分岐するラストダンジョンの思い出〜「Weired Counterpoint」「Ancient Dolphin」「Electrick Talk」

ところで、この聖剣伝説3の大きな特徴として、選んだ主人公によって大きく展開が変わるという点がある。

聖剣伝説3のシナリオには3つの敵勢力がいるのだけれど、選んだ主人公によってどの勢力が勝ち残る=ラスボスになるのかが決まる。下のイラストは主人公のうちの一人。聖剣伝説3キャラクターデザイン・イラストの結城信輝さんご本人のツイート。このイラストだけで懐かしすぎて死にたくなってくる。

いまだに一部の界隈で根強い人気を誇るリースちゃんは、スーファミ時代のヒロインの中でもなかなか罪深い存在だと思う。

 

そして、その枝分かれした3つのラストダンジョンのBGMは、私の中でいまだに長い長い勢力争いを続けてたりする。せーのっ

ドラゴンズホールとミラージュパレスとダークキャッスル。

何言ってるかわからねーだろうが、ラスダンの名前である。

 

ピアノがやばいダークキャッスルのBGMは「Electric Talk」というめちゃくちゃイカした名前。

このステージ、音楽はもちろん、ドット絵技術がここぞとばかりに詰め込まれている。鏡張りの床にキャラクターが映るんです。うひゃー!リースちゃんのぱんつはここですか!

 

お次は「Ancient Dolphin」というタイトルだけで痺れてしまうミラージュパレス……なのだが、実はこのルートに行くことがあまりなくてちょっと記憶が薄い。つーか、闇に堕ちた聖者戦がトラウマすぎんのが悪い。バトル的にもストーリー的にもアレは深い傷を残す。まあ大抵のことは女神様がなんとかしてくれる。

 

そして、ドラゴンズホール(『ボール』ではない)の「Weired Counterpoint」

地味、かと思いきやじわじわ来る。シンプル、音数が少ない、それなのにカッコいい。たぶんそれは、リズムの使い方とかベースのちょっとした音の長さだと思うのだけど、焼き海苔みたいな何枚でも食べられちゃう名曲ではなかろうか。

これを聞いていると、ぐれんまと竜帝がやけに仲良さげなシーンとか思い出す。あと、ドラゴンズホールはふと立ち寄れる場所じゃないと思うよぐれんま。

ラストバトル、そして始まりの庭の思い出〜「Sacrifice」「Closed Garden」

そして、ラストバトル「Sacrifice」はまさかの3段階仕様である。パネエ。それこそ今となっちゃあ珍しくもなんともないのだが、当時はいたく感動した。

ただ、ぶっちゃけラスボス戦はそんなに苦戦しなかった。なぜなら、好きなゲームだからこそありがちな現象──「レベル上げしすぎ」のせいである。

 

そのため、大概のラストバトルはボカスカAボタンで殴り続け、溜まった必殺技ゲージでBボタンを押すという単純作業と化した。のだが、おかげで「Sacrifice」の変化にはすぐ気がつけたし、単純作業にも関わらず、ラストバトルにはいつも退屈しなかった。

3段階目に入った時の、「うおおおおおキタキタキタ」という気持ちと「ああ、もう終わっちゃうんだ……」という気持ちが入り混じった、小学1年生の夏。

1週クリアするごとに、このスーファミの中の世界に一歩近づける気がした。いつかマナが満ち溢れる、美しい世界にたどり着ける気がしていた。

何週も何週も繰り返しプレイして、ドット絵で描かれたキャラクターの等身大の絵を見ながら、「今日はどれにしようか」とプレイデータを選んだ。あの時流れていた「Closed Garden」ほどかわいらしくて切ない音楽を私は知らない。

何もかもが懐かしい。うっかり兄のプレイデータに上書き保存してしまって泣いて許しを請うた、今は戻らぬ日々。

 

そう。聖剣伝説3は、セーブ時の「はい」「いいえ」が存在しない、残酷な世界であった。

 

というわけで今日は、この世の全ての、悪意なき上書き保存に消えていった全ての聖剣伝説3のデータに黙祷を捧げて締めくくろうと思う。テン…テン… テテン テレテレレレ テレレレレン…

 

 

ABOUT ME
加藤 綾子
フリーランス音楽家という名のフリーター。 後ろ向きだっていいじゃない 人間だもの あやこ という意識の低さで生きている。ヴァイオリン演奏・ライティングなど、お仕事のご連絡はこちらにお願いいたします。ayakokatovn@icloud.com
室内楽演奏会「Endor」開催

「モーツァルトへの手紙」をテーマに、モーツァルト作曲の室内楽曲、そしてオーボエ四重奏のための完全新作「Endor」(エン・ドル)を初演いたします。

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