れんれん

「脱糞王子」と呼ばれていた超ビビりの元保護犬が、我が家の一員になるまでの話。

我が家には、引き取って一年半経つ雑種・オス・元保護犬びびり犬がいます。

おともだちといっしょ。

 

いまでこそこんな満面笑顔ですが、我が家にきた一年半前、彼は、脱糞王子と呼ばれるほどのビビり犬でした。

元・保護犬「れん」のこと。

うちの子の名前は「れん」といいます。「れんれん」とよく呼ばれています。

柴犬なんだかシェパードなんだかハスキーなんだかポインターなんだか、よくわからない、正真正銘のZASH☆犬生まれは広島県、そしてもとは野犬。

保健所に保護され、殺処分寸前のところを東京の保護団体”ドッグレスキュー”さんに運よくレスキューされたという、なかなかハイブロウな生い立ちです。

「保護犬」とは

様々な事情から野良となってしまった犬は、保健所に引き取られ、そこで保護団体の救助・あるいは里親を待ちます。そういった経緯から、彼らは「保護犬」と呼ばれます。れんは元・保護犬です。去年、日本では一万六千匹の犬が殺処分されています。年々減少傾向にはあるようですが、ゼロには程遠い数です。

▶︎参考:日本における犬猫の殺処分の実態~現状と先端的な解決策

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れんれん、我が家にやって来た。

れんが広島の保健所に保護されたのは、生後3か月(推定)のころ。当時は下半身が動かず、完全にずった状態「下半身不随」と診断されていたそうな。

実際にドッグレスキューの代表さんが、YouTubeに上げていらした動画。初めてフローリングのうえで歩いたときの映像。まじ天使。

さらに、同じく代表さんのブログ。れんを広島から引き取られた2014年9月14日前後から、その成長の様子を愛情たっぷりにつづられてうへへへへ、動画もてんこ盛りウヘヘヘヘへへへ。

幸せになろうね♪:2014年9月

 

で、こちらのブログを読んでいただけるとわかる通り、最初はなんとか立ち上がれる程度だったれん。

でも、代表さんが気合い入れてリハビリしてくれたおかげで、うちに来る頃には歩くのもおしっこするのもモーマンタイ。ちょっと走り方がへんで、おしっこもおんなのこ座りだけど、基本的にはなんにも問題ありません。でもおしっこしながら自分が出したもん舐めるのは勘弁してほしい。

 

むしろやばいのは、そのビビり具合です。

れんれん、ビビるビビる。

「おうちに慣れるまで、年単位で考えてあげてください」

とは、れんを引き取った当日、代表の方から言われたことば。

誇張でもなんでもありませんでした。

 

まず、引き取って最初の24時間。

れんは、寝床からまっっっっったく出てきませんでした。

代表さんのブログより。うちに来た初日の様子。

 

しかも、我が家に来てから丸一日経ってもおしっこもうんちもしない始末。

「これはやばい」とドッグレスキューさんに電話をかけて相談。結局、無理やり外に連れ出して、ようやく用を足してくれました。「この様子じゃ外に出すのは一週間後くらいかなー」と思っていたので、これは完全な予想外でした。

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れんれん、お外に出る。

そんなわけで見事なビビり犬だったれん。

今でこそ外も歩けるし、他の犬たちとも遊べるけれど、我が家に来た当初は何かにつけて大も小も漏らしてました。

おともだちといっしょにおやつ待ちの行列に並ぶれん。 前は、外でおやつなんて食べられませんでした

 

おっちゃんに話しかけられて脱糞。

ママチャリに追い越されて脱糞。

小学生女子に囲まれて脱糞。

 

そうでなくても、一歩外を出ただけでリードを引っ張って逃げ回る。他のわんこたちとのコミュニケーションなんてもってのほか。なんとか近所の公園まで出てきても、5分といられない。

あまりのビビリ具合に、「この子を喜ばせてあげられる日が来るんだろうか」「この子が尻尾を上げてくれる日が来るんだろうか」「この子をしあわせにできるんだろうか」──そして、

「この子は、あのまま、ドッグレスキューさんのところにいたほうが幸せだったんじゃないだろうか……?」

という不安が募る毎日でした。

れんれん、お友達ができる。

が、少しずつ、ほんとうに少しずつ、いぬのくせして亀のような足取りだったけれど、様子が変わっていきました。

大きな理由のひとつは、我が家の近くに、わんこたちがたくさん集まる公園があったこと。わんこも飼い主さんも、逃げ回るれんのことを第二第三の家族のように見守ってくれました。

「れんくん、きょうはわたしのこと見てくれたねー!」

「れんくん、きょうはうちの子のそばに寄ってきてくれたねー!」
「れんくん、きょうはちょっと触らせてくれたねー! ありがとうねー!」

 

他の犬たちも、れんのことを構ってくれます。れんに挨拶をしてみて、逃げるようだったらすっと離れるか、あるいは逃げるお尻をくんくんかいでくれたり、「遊ぼうぜ!」と誘ってくれたり。

すると、れんも少しずつ、他の子のお尻を嗅いだり、飼い主のみなさんの目を見るようになってきました。

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れんれん、我が家を信頼する。

そしてもちろん、我が家も必死でした。

ちょっと歩けばすぐに褒め、ちょっとこちらを見ればすぐに褒める。

家では、おしっこをしたら褒め、ごはんを食べても褒め、おやつを食べても褒め、触らせてくれたらそれも褒める。褒める褒める、もうべた褒めの嵐。

 

そうすることで、毎日毎日、ほんとにちょっとずつ、れんの様子が変わっていきました。

少しずつ目を合わせてくれるようになり、少しずつ名前を呼ばれて反応するようになり、少しずつ、わたしたちを信頼してくれるようになりました。ビビって脱糞・失禁することもなくなっていきました。

後ろ足をずって歩くので、来た当初は爪が削れて出血してしまうのを防ぐため靴も履かせてました。が、だんだん足腰がしっかりして来て、それも不要になりました。

れんれん、我が家を変える。

ついでに言うと、変わったのはれんだけじゃありませんでした。最初はたいへんだったけれど、我が家もみんな、毎日のれんの成長が楽しみになっていきました。

 

れんが来てくれたおかげで、我が家は毎朝、早起きになりました。週末は私と両親、3人+1匹でお散歩にでかけるようになり、ひとり暮らしをしていた兄たちも時々帰ってくるようになって、私と両親の会話も増えました。

「今朝、れんがあの子と走り回って遊んでたよ」

「昨日の夜、れんがベッドでかまってちゃんしてたよ」

「さっき、れんが私の腕を枕にして寝てたよ」

こんなふうに慣れてくれるなんて、前は夢にも思わなかったね──と毎日のように話しています。

今年2017年の夏、とあるドッグランにて。こんな顔、来た当初はぜんぜんしてくれなかったんですよ。

本当に、れんが我が家に来てくれてよかった。

れんが、我が家の一員になってくれてよかった。

 

どうぞこれからもよろしく。

 

▶︎うちの子を助けてくれた保護団体・”ドッグレスキュー”さんのHPはこちら。里親さん、募集してますよ。

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加藤 綾子
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