ヴァイオリン

ヴァイオリンで速いパッセージを弾きこなすための、たった1つの考えかた。

こんにちは。

加藤綾子(@akvnimp)です。

 

ヴァイオリンといえば、やたら出てくる真っ黒なパッセージです。

シベリウス作曲「ヴァイオリン 協奏曲」より第1楽章、後半部分。

「おう、ヴァイオリン弾くんじゃろ? ならこれくらいのはっやいはっやいパッセージ、朝飯前よなあ?」

と言わんばかりの部分を、

『本番でもビシッとキメるコツってないの?』

というのが、本日のお話です。

弾けるようになっても本番が怖い、パッセージの罠

まず、そのいわゆる「速いパッセージ」って、どんな練習してますか?

  • ゆっくりさらう
  • リズムを変えて練習する
  • 声で音を読みながら弾く

といったところでしょうか。

これらは実際のところ、効果があります。

基本的には、この3つを組み合わせながらじっくり練習すれば、どんなところも弾けるようにはなると思います。

 

ただ、問題は本番です。

スポンサーリンク

速いパッセージ、全部の音を弾こうとしたら、指も頭も回らない!

練習でいくら弾けていても、本番になった途端指が回らなくなる──

ありますよね?

ないとは言わせませんよ。ありますよね? ねー?

 

どうして本番になるとダメなのか?

理由は簡単で、全部の音を弾こうとするからです。

ただでさえ緊張する本番、ぜんぶの音を弾こうとしたら頭も指も追いつかないし、体力も持ちません。

 

というわけで、「ここだけは絶対外さない!」という大事な音を、あらかじめ決めておきましょう。

そして、本番ではその音を足掛かりに、速いパッセージを一気に駆け抜けてしまうイメージ。

身体の動きや意識がその一カ所に集中するので、それ以外の音は反動で弾けてしまうのですね。

▶本番前の緊張感と上手に付き合うためのアドバイスはコチラ。「本番前の緊張感と上手に付き合うための7つのアドバイス

[kanren id=”1027″]

「拍の頭」を意識しよう!

では、その「大事な音」とはどれかというと、これもまた非常に簡単。

拍の頭を外さなければいいのです。

 

たとえば、冒頭でも上げましたこのパッセージ。

この赤丸は見ての通り拍の頭。

そして、

  • 「駆け上がる音形」
  • 「クレッシェンド」
  • 「そのままオーケストラの間奏に受け渡す」

といった理由から、最後の一拍の頭に決定。

ついでに、ボウイングも合わせちゃいました。

 

大事な音を決めたら、普段の練習で、この音をどう弾くのか徹底的に分析しておくことが肝心です。

たとえば、

[memo title=”左手は…”]

[list class=”li-check”]

  • どの指で、
  • どのポジションで、
  • どれくらいの力で?

[/list]

[/memo]

[memo title=”右手は…”]

[list class=”li-check”]

  • 弓のどの位置で、
  • どれくらいの速さで、
  • アタックは付けていいのか?
  • 付けないなら、右手の人差し指や中指でその音をキャッチできるのか?

[/list]

[/memo]

ここで大事なのが、左手だけではなく右手も注意すること。

左手が大変であればあるほど、右手で手伝ってあげましょう。逆もまた然りです。

▶関連記事「ヴァイオリンでピッツィカート(ピチカート)をするときのコツ。左手のこと、忘れてない?

[kanren id=”2938″]

スポンサーリンク

実際の譜例集

こちらはバルトーク作曲「ヴァイオリン協奏曲第2番」より第1楽章。

そこそこのテンポですが、それにしたっていきなり13連音符とかひどい。

なので悪い子にはおしおきです。

上の赤丸はおおよその4拍目。下の赤丸は、9連音符を3つずつに分けて考えています。

 

こちらはバッハ作曲「無伴奏パルティータ第1番より『Presto』」。

この曲は最初から最後まで一貫して真っ黒なわけですが、最後にこんな弾きにくい音形とかひどい。

というわけでおしおきです。

 

ここまででおわかりのとおり、「拍の頭ならどれでもいい」というわけではありません。

コツは、次のフレーズへ繋げてくれる拍、いわゆるアウフタクト的な役割を果たしている部分を選ぶこと。

ここを意識するだけで、本番、万が一滑落しそうになっても、足場になってくれます。

とくにオーケストラの場合、ぜんぶの音をまるっと弾いていたらR.シュトラウスの「ドン・ファン」とかシャレにならないので、上手に、気づかれないように、「音楽的な手抜き」をしましょう。

実際に速いパッセージを練習するときは…

考え方のコツがわかってきたら、あとは練習あるのみです。

といっても、闇雲に練習するのではなく、先ほど書いたように細かく分析して、確認しながらさらいましょう。

 

また、その部分だけ練習することももちろん、通し練をして、前から来たときにどうなるか、よくよく意識しておくことも大事です。

指って記憶形状合金みたいなところがあって、そこまで演奏してきた部分の影響を、少なからず受けてきているんですよね。疲労もたまるし、指の形も固まってくる。

「頭からここまで通してくると、自分の身体はこんな風になるんだな」

これをあらかじめ理解しておくだけでも、本番での安心感がだいぶ変わってきますよ。

 

▶効果的な通し練習のやりかたについて知りたい方はコチラ。「本番前一ヶ月を切ったら、朝イチの通し練がオススメ!

[kanren id=”2288″]

スポンサーリンク

まとめ:ヴァイオリンで速いパッセージを弾くことは、そんなに大事じゃない。

そして、結局いちばん大事なのは、

「本番、聴いているひとは、速いパッセージなんて意外と気にしない

ということです。

もちろん、途中であからさまに指がもつれっちゃったりしたらバレるでしょうが、それはそれ。

ムズカシイところなんだから仕方ないと早々に忘れましょう。

 

聴いているひとは、そういう「タイヘンなところ」よりも、案外音数の少ない繊細な場所や、メロディーをこそ重視しているものです。

もちろん、反対に「絶対ここは弾けなきゃ死ぬ」という場所もありますし、コンクールとかオーディションとなると話はべつですよ!

▶︎そういう意味でも、コンクールを受けるのは大事なのかも? コンクールの重要性についてはコチラ。「コンクールを受けよう!音楽家がバランスの取れた活動をしていくために必要なこと。

[kanren id=”1278″]

 

というわけで、みなさま、速いパッセージとは上手に付き合ってくださいませ。

ヴァイオリンの見せ所ですからね。やっぱり、楽に、でもカッコよくキメたいものです。

 

▶その他、ヴァイオリンの演奏法や楽曲について知りたい方は、コチラのまとめも参考になさってください。「「ヴァイオリン」「クラシック音楽」について知りたいひとのための記事・まとめ

[kanren id=”1739″]

それでは、また。

ABOUT ME
加藤 綾子
フリーランス音楽家という名のフリーター。 後ろ向きだっていいじゃない 人間だもの あやこ という意識の低さで生きている。ヴァイオリン演奏・ライティングなど、お仕事のご連絡はこちらにお願いいたします。ayakokatovn@icloud.com