即興演奏

私が「即興演奏をやっていてよかった」と思う6つの瞬間

単純に、私が「やっててよかった、即興演奏」と思うときを書いていきます。

ここでいう「即興演奏」は通奏低音とかジャズとかフリーインプロとかとはまた違う、ゆる〜〜〜くてスタイルのない即興演奏のことです。

周りの音を聴くことができたとき

周りの音を聴けるようになると、「あ、この人が何か言ってる」と気づくようになり、

次に、「あ、この人はこういうことが言いたいのかも」とわかるようになり、

「あ、この人はわたしの音に反応してくれてるんだ」と嬉しくなります。

「じゃあ、あの人は? さっきからずっと同じ音を鳴らしてるのは誰? なにを伝えようとしてる?」

と、どんどん考えるのが楽しくなってきます。外国語を習得するのとちょっと似てる、というより、違うことば同士なのにコミュニケーションが取れるかんじ。

 

そうしてはじめて、私は「周りの音を聴く」ということに気がつき、オーケストラや室内楽、誰かと共演するときに「聴く」ことを少し理解しました。

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自分のやりたいこと・表現が相手に伝わったとき

周りの音が聴けるようになると、こんどは、その人たちに反応してほしくなります。

どんな音を出せばどう伝わるのか、自分が出したい表現はどんな演奏で示すべきか、考えるようになります。

そして、これがスコーン!とハマって、周りの人が反応してくれるとめっちゃ嬉しい。

もちろん、「そこでそう来るのかよ!?」みたいな予想外の反応だったりすることもあるし、私がガーーーッと弾きまくって、「ここだ!」というところで弾くのをやめると、相手もちょうど同じ瞬間に演奏をやめたりする。

お互い、音をたくさん鳴らして弾いていたら、突然、あるところでまったく同じ音を弾いてしまったりする。

 

こういう経験が一度あると病みつきです。

この音ならどうだろう、この表現ならどうだろう、と考えるのが楽しくなる。

急な演奏の依頼が入ってきたたとき

音楽稼業ならこれがいちばん大きいであろう。

「ちょっとヴァイオリン弾いてよ!」と言われたらほいっと弾ける。「即興演奏のライブやろう」とか「1時間くらい企画して」とか、1週間前に言われても(たぶん)ヘーキ。

「クラシックでもなんでもいいから、45分のプログラム組んで!」と言われたら、最低10分は即興演奏で埋められます。リサイタルだってできるぜ!

 

さすがにヴァイオリン一本で45分埋められるかはわかりませんが、でも、急な依頼でも即興演奏に助けられる場面は多いです。

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即興演奏でない本番、予期せぬハプニングが起きたとき

クラシック公演で、本番でリハーサル通りではない音楽になってもそんなに焦らずに済むようになりました。

「リハーサル通りにやってくれなきゃ困る!」という人もいますが、クラシックだろうが即興演奏だろうが、音楽は音楽なのでどうやったってリハーサル通りにはいきません。

 

「楽譜がある」音楽の代表例みたいなクラシック音楽ですが、それだって昔は即興演奏から始まったわけで、どんな音楽も即興的な要素からは切り離せないんじゃなかろうか。

子供に喜んでもらえるとき

意外と即興演奏のウケがいいのが、小さな子供です。

「ヴァイオリンの音が聴きたい!」という彼ら彼女らには、モーツァルトだろうがバルトークだろうが関係ありません。

いろんな音を、いろんな音楽の表情を知ること。どうやらそれが彼ら彼女らのいちばんの喜びらしく、私がなにかしら即興するとエライ喜ばれます。

「ぎゅいんぎゅいん」とか「ばちんっ」とか「ドレミファソラじぃぃぃぃぃっ」とか、もちろん、きれいなメロディだって弾ける。

楽器の魅力をその場で引き出せる。即興演奏をすることで、自分もその引き出しを知ることができる。

それも、即興演奏の魅力の1つだと思います。

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いろんな人と演奏を通じて仲良くなれたとき

私は根っからのクラシック畑の人間です。

が、即興演奏を知ってからというもの、サックス、トロンボーン、エレキギター、ドラム、果ては和楽器の演奏者と共演できるようになりました。

いわゆる「現代音楽」と呼ばれる音楽ではそう珍しくありませんが、なかなかヴァイオリンが共演できる人々ではありません。

 

そうして知り合った方々の中には、今でも親交が続いている方もいますし、これからも、私は即興演奏を通じて色んな人たちと交流していけるかもしれない──と思っています。ましてや私はコミュ障なあんちくしょうなので、即興演奏にはけっこう助けられます。

 

即興演奏はコミュニケーションなのです。

もとい、

音楽は、コミュニケーションなのです。

まとめ:即興演奏ができれば世界平和になる

ぶっちゃけ、

「即興演奏じゃなくて、どんな音楽だって同じじゃない?」

と思われることもあるんですが、まあそこが即興演奏のいいところ。自由に、いつでもどこでも誰とでも出来ちゃうのに、クラシック音楽やほかの音楽と密接に繋がっているのです。

逆に言うと、「スタイルを持たない」ということは、クラシック奏者がクラシック奏者のまま行える、数少ない即興演奏でもあります。

たとえばジャズのアドリブにはジャズの語法を知り、「ジャズ奏者」としての側面を習得する必要があるけれど、この即興演奏にはそれすらない。必要なのは、白紙の状態で人の、そして自分の中の音を聴くことだけ。

元を辿れば、どんな音楽だって即興演奏だった。そう考えると、も少し身近に楽しめるかもしれません。

ABOUT ME
加藤 綾子
ヴァイオリン奏者という名のフリーター。 後ろ向きだっていいじゃない 人間だもの あやこ。ayakokatovn@icloud.com
2台ヴァイオリンによる《ムジカコスモス》vol.3
designed by Yuki Morishita

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