音楽

音大・大学院卒業してフリーランス音楽家になって3週間の現状を正直に書く。

3月31日を持って学生証の使用期限が切れ、社会人、もといフリーランスの音楽家、もといフリーターとなって、きょうでちょうど3週間

「いよいよ来年は社会に出ます」という人向けに、いま現在の正直な私の状況や心境を書いておきます。まあ平たくいうとぼっちってぇことです。

新卒フリーランス音楽家あるある集 〜社会人3週間目のホンネ〜

まずは、食欲もなくなるようなげっそりした現状から。先輩・先生方から聞いている話も多いでしょうが、聞いているのと実体験では全然違います。

その① びっくりするほど仕事がない。

4月、正式にお仕事として依頼を受け、ギャラを支払われた案件は、たった2件でした。

 

2件

 

でした。

 

それ以外のことについては後述します。が、実質、今月はたったの2日しか働いておらず、基本はニート生活でした。

その② レッスンがない。

これもよく聞くやつ。そう、定期的なレッスンがありません。

「自分で頼んで自主的に行けばいーじゃん」

それはその通りなんです。なんです、が、

 

もちろん、お金がかかります。

 

4月、仕事なかったのに。

 

あと、まあ、社会人ですし。「音楽家は一生勉強」つったって、所詮学生ではない身の上、あんまり甘えてるといつまでたっても独り立ちできなくて痛い目見ます。私のように。

その③ 入ると思った仕事が入らない。

「よし、この辺にこの仕事が入るはずだ」

と思って準備万端、空けておいたスケジュールに容赦無く入り込むオーディションとかコンクールとか。

また、読みが外れて、いざシフト調査が始まったら全然予想外なところに入ってきちゃって、勝手に頭の中で組み立てていたスケジュールが音を立てて崩れたりします。この辺は1年目だからしゃーない面もあります。

スケジュール帳は去年一年分くらいはとっておいたほうがいいかもしれません。大まかにですが、来年の予定を立てやすくならなくもなくはなくない。ただし過信は禁物。

その④ オーディションとかセミナーの手応えとかさっぱりわからない。

前述したオーケストラのオーディションですが、一瞬で終わります。

ダメだったらダメ。そんだけ。「何がどういけなかったか」「これからどうすればいいのか」、当たり前だけど誰も教えてくれないし自分でもピンときません。

 

試験やコンクールなら、聴いていた先生や審査員からコメントをもらえたりする。

でも、プロオケのオーディションとなると、だれか知り合いが紛れてるんでもない限り、自分の演奏がどう評価されていたかなんて、さっぱりわかりません。

セミナーとかもおんなじ。さっきも言ったけど所詮学生ではない身の上、なまじ「プロ」扱いされる立場なので、なんつーかこう、先生になんて言って講評聞けばいいのかわかんねえですよね。他の受講生からの視線とかほんときついですよね。「え、これで社会人なの?」みたいな。私だけですかそうですか。

 

自分でも、演奏がダメだったのか狙った方向がそもそも見当違いだったのか、これからどう軌道修正すればいいのか、さっぱりわかりません。

わからないまま、また次に向けて準備しなくちゃいけません。

その⑤ 練習がたまらなく不安になる。

レッスンもない。オーディションとかセミナーとかの手応えもない。要するに、自分の演奏に対してあーだこーだ言ってくれる人が、いない。

すると、練習が非常に不安になります。

学生時代だって練習中に不安に襲われるのは日常茶飯事だったんですが、もっとこう、一寸先まじ闇って感じです。

 

自分が練習していることは、一体、なんのためなのか?

そもそも、今この曲をアレに向けて練習してるけど、これでいいのか?

私の人生、本当にこれでいいの? だれか教えて!(´;ω;`)

 

自分は一体、どんだけレッスンに頼りっぱなしだったんだと痛感なう。学生時代、ちらほらと「次のレッスンいつになるかわかんないんだよねー」というお友達を見かけましたが、まじ尊敬。パネエ。

その⑥ 練習してないときも常に不安になる。

例えば、何かしらの合わせで友人に会い、ちょっと晩御飯食べて行こう、なんて時。

その友人が、院を修了する前から着々と準備し、4月からバリバリにオーケストラにも乗り、仕事もしていて毎日忙しく、半年先の予定はちょっと埋められない──なんて状態だったりすると、もう、眩しすぎて何も言えません。

まして、

「え、色々仕事したり、オケ載ってるのかと思った」

「なんか忙しそうだと思ってたのに」

なんて言われたりすると、もう、仏のごとき笑みを浮かべるほかない。

 

そして、だいたい、耳に入ってくる噂話は極端にいい話か悪い話です。

○○ちゃん、こないだどこそこのオケの現場で会ったよ、とか、

××さん、こないだオーディション残ったらしいよ、とか、

△△くん、こないだ現場でやらかしたらしいよ、とか。

(※この流れはフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません)

 

そして、思うのです。

私は、いま、どこの誰の酒の席で、「加藤綾子、こないだ──」と、嘘なんだか事実なんだかわからねー噂話をされているのだろうか、と。

それがいい噂であれ悪い噂であれ、背筋が寒くなる思いです。

 

私は、一体、誰にどう思われているのか。

そして、それがどう巡り巡って、今後の将来に影響するんじゃないのか。

もしかして、何かとんでもない勘違いや噂が流れて、仕事が回ってこないんじゃないか。

ブログなんて書いてたら、それを読んだ誰かが「こいつは使えない・使いたくない」と思われてるんじゃないのか。

こないだあの人に送ったメール、返信が来ないのはどうしてだろう。会えないかな。会えないや、だって仕事がないもの、会う機会がないもの、だれか知らないかな、あの人に会ってる人いないかな、だれか、

 

だれか教えて。

私はいま、どこで何をしていますか?

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それでも、(自称)フリーランス音楽家が不安と共存するための悪あがき

とまあ、グダグダ書いてますが所詮、まだ卒業して1月も経っておりません。ただの五月病かもしれない。

なので、自分なりに自分を追い込んでみた結果、このなんとも言えない不安との共存法を考え始める羽目になりました。まあぶっちゃけ無駄なあがきなんですけど参考にしてみてください。

その① 練習する。

手っ取り早いのは練習すること。

やらないよりはマシ。やらなかったら下手になるだけですが、たとえ間違っていてもやったほうが、そこから軌道修正できるなくもないんじゃないのかな〜?

練習はやって当たり前のこと、人に見せびらかす必要も、アピールする必要もない最低限のこと。これすら失ったら、私はもう存在しないも同然になるかと思われます。

 

そしていまの私は、時間があるので、ゆっくり自分と向き合えます。

ただ、自分に向き合って、向き合いすぎて、「お前は誰だ」なんて毎日言ってると自我崩壊しちゃいます。なので、ほどほどに刺激が必要です。

 

追記:この記事を書いたわりと直後、色々とショッキングな事件が重なって楽器を弾くことすらできなくなったのはナイショ。

その② 金をじゃんじゃん使う。

というわけでその②。なけなしの稼ぎを、レッスンセミナーオーディション、コンサートに美術展、そのほか諸々、ともかく使い込む。

金を厭わない。いま、稼ぐことだとか、貯金することなんて考えない。なんでもいいから外部から刺激を入れる。

毎日、「外部」へ出ていたあの頃のように、刺激を受けていたサイクルをできうる限り崩さない。そのためになら、お金なんてバンバン使ってやりましょう。それが一番。

その③ 「よかった」「頑張れ」と言ってくれる人を信じる。

そして、それでも、そんな自分を見てくれている人がいることを忘れないこと。

 

今月は、自主的な公演が1つ、お誘いいただいたライヴ公演が1つありました。

 

そして、そのいずれも、共演してくれた方、ご来場してくださった方、励まし・コメントをしてくださった方がいらっしゃるわけです。

事前に告知し、練習し、お客様からお金をいただき、演奏する。

演奏家なら、一番輝かなくちゃいかんわけです。

どんなに落ち込んでいても、先行きが不安でも、その瞬間だけは別人になれて、しかも評価してもらえたら、まあ大概のことは乗り越えられます。「あー、音楽やっててよかった」と思います。

ブログも同じで、ふっとした拍子に自分が書いたことにコメントがついたり、シェアしてもらえたりしていると、「あー、書いててよかった」と思います。

 

単純で、すいません。

でも、そういってくれるアナタを信じることで、わたしは今日もお布団から出られるのです。

 

追記:なんて言ってたけど結局ポッキリ心が折れて自分でも読み返せない2019年現在の私は、後ろ向き全開で生きて行くことにしています。人生何が起こるかわかんねーもんですね。

その④ 周囲の目は……

漏れ聞こえてくる噂話、他人が自分をどう見ているのか、自分の言動が何かしでかしてるんじゃないのか、過去の言動や演奏が今に響いてるんじゃないのか。

 

こればかりはどうにもなりません。

いくら「周りを気にするな」と言われても、それを実行できるだけの実力も、自信も、いまの私にはありません。

これは多分、今までの自分の人生の積み重ねなんだと思います。これから少しずつ、克服していけたらいいなと思います。ブログも、方向性は変わるかもしれないけど、せっかく育ててきた可愛い我が子みたいなもんなので、ずっと続けていきたいなーと考えてます。

 

追記:

前向きになんてならなくていいです。いや、前向きになれたらその方が音楽活動には向いてると思うし得だと思うんですけど、無理やり前向きになろうとしてなれない苦しみって半端ない。

「音楽が好き」なんてキラキラした目で言えなくても、後ろ向きでも、考えすぎでもいいと思う。

その⑤ 料理する。美味いものを食べる。

いっけな〜い☆ 女子力女子力ぅ!

 

良い生活は良い食事から。細かい内容とかどうでもいいので、美味いもん食べてる漫画とか読むといいです。

 

 

「これ食べたいから自分でなんとかしよう」と思って行動するだけで、怠惰な1日に、多少なりともメリハリがつきます。ホコリかぶった料理本とか、ブクマするだけして放置してたクックパッドとかいまが出番だぜ!

※ただし豚になる。

その⑥ 寝る。

寝る

もう、朝でも昼でも夜でもいつでもいいので、ともかく寝る。眠くなったら寝る。家族の視線が痛くても寝る。

寝て、寝て、寝まくって、しまいには、「あ、このままじゃいかん」と身体が勝手に動き始めます。

 

心や頭がどんなにやる気ゼロでも、身体がやる気を出したその時がチャンスかもしれない。寝ろ。死んだように寝ろ。

まとめ:フリーランス音楽家は、スタート前から目標を作ってモチベーションを保つべし。

卒業してから、まず仕事がないよ、何にもやることないよ──というのは聞いていたし覚悟はしていましたが、なかなかきついもんですね。横で寝ているれんれんの寝顔が癒しです。

でも、まだまだ経ったの3週間です。

学生時代に比べればセミナーの課題曲も余裕を持って準備できている(はず)し、次に受けるオーディションも決まっているので、水面下でボソボソやって行きます。

 

目標は、自分でどんどん作っていく。レッスンでも、セミナーでも、コンクールでも、なんでもいい。

お尻発火生活です。本当に自分でやっていくしかありません。モチベーションは自分でつくるんだと思います。

 

そして、今いただいている貴重なお仕事を、一つ一つ、丁寧に。

時間があるからこそ、できることがあると信じています。

 

それでは、また。

最後まで読んでくれたアナタの行く末に、幸あらんことを。

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2019年2月5日追記

仕事がない。ぶっちゃけ、それ自体はそんなに苦になりません。金がないのは困るけど。

でも、一番しんどいのは、今まで自分がやってきたはずのこと、わずかながら信じていたかっただれかの言葉、様々なコンプレックスを抱えて、それでも、「これだけは自分のなけなしの誇りにしよう」と思った何か、それら全てを信じられなくなったときでした。

「フリーランス音楽家」とかカッコつけてないで、クズはクズ、後ろ向きは後ろ向き、で、正直に這いつくばるが吉です。

これを読んだ、これから「音楽家」を自称するかもしれない人が一体どんな人生を歩んできたかはわかりませんが、別に幸せになんてなれなくたっていいと思います。少なくとも私は、「もっと前向きに」「もっと幸せに」と効率よく生きるには、あと何回か強くてニューゲームしないと無理そうです。

ABOUT ME
加藤 綾子
ヴァイオリニスト。 BIOGRAPHY
《ムジカコスモス》on YouTube.

森下由貴・加藤綾子によるヴァイオリン二重奏コンサート、《ムジカコスモス》のYouTubeチャンネルが公開。公演ダイジェスト、貴重なレパートリーのフル動画も収録予定です。

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