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室内楽初心者にオススメなピアノとヴァイオリンのデュオ作品・まとめ

「ヴァイオリンとピアノのデュオをやりたいんだけど、どの曲から挑戦すればいいの?」

という室内楽初心者にオススメな、ヴァイオリンとピアノのデュオ作品を紹介します。

ヴァイオリンとピアノのデュオは、まずは小品から。ドヴォルザーク『4つのロマンティックな小品』

ヴァイオリンとピアノのデュオ作品──と言えば「ソナタ」が真っ先に思い浮かびますが、ちょっと我慢。まずは小品から手を付けていくことをオススメします。

ということでコチラ。

ドヴォルジャーク作曲『4つのロマンティックな小品』

後述しますが、「デュオ・ソナタ」というのは、ヴァイオリンがメインではありません。そこが室内楽初心者にとってややこしいポイントになったりします。

でも、たとえばこのドヴォルザークの『4つのロマンティックな小品』のように、

「メロディーはヴァイオリンにお任せするけど、もともとピアノとアンサンブルする前提で書いたよ!」

という作品は、室内楽の雰囲気をつかむのにもってこいです。協奏曲はオーケストラの伴奏を無理やりピアノに落とし込んだものなので、純粋な室内楽作品とはちょっと勝手が違います。下手するとアレンジ能力とか問われるので……

 

たとえば、ドヴォルザークの「ロマンティックな小品」1曲目。ヴァイオリンはこんな、初見で弾けちゃいそうな簡単な音しか並んでいません。

ところが、ここでピアノパートを見てみると……

こんなに音がてんこ盛り。

ここでもし、あなたがヴァイオリンのパート譜だけを見て、「なーんだ楽勝じゃんれーふぁふぁーふぁー」とか弾いた日には、ピアニストから譜面が飛んできます。

わかっちゃいるんだけど、室内楽は、自分のパート譜だけ見てちゃダメなのです。相手への気遣いが大事なのです。

 

とはいえ、ドヴォルザークの『ロマンティックな4つの小品』は、

  • ヴァイオリン奏者にとっては、弾くのが簡単で歌いやすいメロディだから取り組みやすいし、
  • ピアノ奏者にとっては、音数は多いけれど伴奏的な動きが多いからアンサンブルがしやすい。
  • メロディの歌い方とか突き詰めると意外とアンサンブルが難しい。

 

などなど、ヴァイオリンとピアノのデュオの初体験にもってこい。

オススメは、ド派手なテクニックをあまり要求されない1、3曲目あたり。大曲ではないのでサクッと全曲やるのもOK。というかせっかくだからやっちまいましょう。

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ヴァイオリンは助奏。モーツァルト『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』KV300番台の作品

さて、いよいよソナタ。ここで紹介するのは、

モーツァルト作曲『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』KV300番台

の作品です。(400番以降は毛色が変わってくるのでガマンしましょう)

タイトルをよく見ると、

ピアノヴァイオリンのためのソナタ』

です。ヴァイオリンピアノのためのソナタ』ではありません。これがミソ。

 

モーツァルトの『デュオ・ソナタ』において、メインはピアノ(クラヴィーア)であって、ヴァイオリンはあくまでオマケ。今、一般に「ヴァイオリン・ソナタ」と呼ばれる作品は、元をたどれば「ヴァイオリン助奏つきのピアノ・ソナタ」だったわけです。

(さらにその前は、やっぱりヴァイオリンが主役を張ってあとは通奏低音……とか色々あるけど割愛)

 

といってもそこはモーツァルト。ヴァイオリン・パートはオマケといいながら、割と充実しています。初めての「デュオ・ソナタ」としてモーツァルトをオススメする理由はそこです。

音数が少なすぎると、「え……なにこれ、なんも楽しくない……」とヴァイオリン的にやる気がそがれてしまいます。モーツァルトはそのへん、絶妙なバランスなのです。

 

そのかわり、マジで無駄がないのでめちゃ難しい。

私が初めてマトモに取り組んだ作品はKV380 変ホ長調でしたが、ピアノもヴァイオリンもけっこう、弾くだけでも大変でした。初心者の方は有名なKV304 ホ短調あたりがいいでしょう。

第2楽章までしかないですし、音数もちょうどいい塩梅なので比較的とっつきやすいと思います。オススメ。

 

▼ホ短調は第1巻に収録されています。

ホ短調だけ単品で出版もされているみたいです。とりあえずやってみるのであればこちらを購入するのもよいかと。

やっぱりこの人は外せない!ベートーヴェン『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』1〜2番

「モーツァルトはちょっと苦手……」という、私みたいなアナタにはこちら。

ベートーヴェン作曲『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第1~3 1〜2番

同じOp.12ですが、3番、オメーはだめだ。技術的にお互いシビアすぎるということをこないだ痛感。

初めて取り組むデュオ・ソナタなら、モーツァルトのKV300番代か、このベートーヴェンの第1〜2番が鉄板かと。

ヴァイオリンの音数もそんなに多くはないし、ピアノとのアンサンブルもそこまで厄介ではありません。第2番なんて、「これ、ベートーヴェンじゃなくてモーツァルトじゃないの?」というくらい可愛らしい。

 

ちなみに、この作品12の3曲はかのアントーニオ・サリエーリに検定されています。

さらにちなむと、ベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ」といえば、第5番「スプリング・ソナタ」とか第9番「クロイツェル・ソナタ」とかが有名ですが初心者が手を出すと地獄を見ます。ダメ、絶対。

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まとめ:初めてのヴァイオリンとピアノのデュオは、音数の少ないものを。

ヴァイオリン弾きのあなたが、運命的な出会いを果たし、ひとりのピアノ弾きさんとお友達になったとします。

そして、その彼だか彼女だかと初めての共同作業に、フランクやらブラームスやらのヴァイオリン・ソナタを選んだ日には、そのチームは十中八九破局します。

なぜって、ピアニストの負担は段違い・ヴァイオリンパートも厄介。お互い、自分のパートを弾くことに必死、相手の音が聞こえていても、あってアンサンブル──なんて余裕はなく、お互い、満足に演奏できないことにストレスフル。

そして、これとよく似た現象は、古今東西、どんな編成の室内楽でも起こり得ます。弦楽四重奏のラズモフスキーしかり、ピアノ三重奏のメントリしかり。

 

せっかく出会った、大事な大事なお友達です。

のっけからガンガン攻めるのではなく、少しずつ、まずは簡単な曲から始めましょう。おともだちを大事に!

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加藤 綾子
ヴァイオリニスト。 biography