ヴァイオリン

初めての室内楽にオススメ!ピアノとヴァイオリンのデュオ作品をご紹介

こんにちは。加藤綾子(@akvnimp)です。

 

きょうは、

「室内楽をやってみたいんだけど、どんな編成からやればいいの?」

「ヴァイオリンとピアノのデュオをやりたいんだけど、どの曲から挑戦すればいいの?」

というヴァイオリン弾きのアナタにオススメな、ヴァイオリンとピアノのデュオ作品を紹介します。

はじめに:なんでヴァイオリンとピアノのデュオなの?

なぜ、初めての室内楽にヴァイオリンとピアノのデュオをオススメするのか。

これは簡単な理由です。

  1. ヴァイオリンとピアノのための作品がたくさん書かれている
  2. 人数が少ないので組みやすい・コミュニケーションが取りやすい
左からベートーヴェン(第1巻)、モーツァルト(第1巻)、プロコフィエフ第1番、ヤナーチェク、フランク、R.シュトラウス。ヴァイオリンとピアノのためのデュオは他にも山ほどあります。

 

①はもちろん、室内楽を組む上で意外とネックになるのが②。

たとえば、いきなり弦楽四重奏にチャレンジすると、まず人を集めるのが大変ですし、誰がなんの音やら、誰になにを言えばいいやら、サッパリだと思います。

 

また、ヴァイオリン奏者にとって、いつも伴奏してもらっているピアノは身近な存在です。

少しでも聴き慣れている音色・響きから始めたほうが、きっと楽しめると思います。まあ、なにやったってピアノは音数多くて大変なんですが。

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まずは小品から!ドヴォルザーク『4つのロマンティックな小品』

ヴァイオリンとピアノのデュオ作品──と言えば「ソナタ」が真っ先に思い浮かびますが、まずはヴァイオリンとピアノのための小品から手を付けていくことをオススメします。

ということでコチラ。

ドヴォルジャーク作曲『4つのロマンティックな小品』

後述しますが、「デュオ・ソナタ」というのは、ヴァイオリンがメインではありません。そこが、室内楽初心者にとってややこしいポイントになるのです。

でも、たとえばこのドヴォルザークの『4つのロマンティックな小品』のように、

「メロディーはヴァイオリンにお任せするけど、もともとピアノとアンサンブルする前提で書いたよ!」

という作品は、室内楽の雰囲気をつかむのにもってこいです。

(協奏曲はオーケストラの伴奏を無理やりピアノに落とし込んだものなので、純粋な室内楽作品とはちょっと勝手が違います)

 

たとえば、1曲目。ヴァイオリンはこんな、初見で弾けちゃいそうな簡単な音しか並んでいません。

ところが、ここでピアノパートを見てみると……

こんなに音がてんこ盛り。

ここでもし、あなたがヴァイオリンのパート譜だけを見て、「なーんだ楽勝じゃんれーふぁふぁーふぁー」とか弾いた日には、ピアニストから譜面が飛んできます。

室内楽は、自分のパート譜だけ見てちゃダメなのです。相手への気遣いが大事なのです。

 

とはいえ、ドヴォルザークの『ロマンティックな4つの小品』は、

  • ヴァイオリン奏者にとっては、弾くのが簡単で歌いやすいメロディだから取り組みやすいし、
  • ピアノ奏者にとっては、音数は多いけれど伴奏的な動きが多いからアンサンブルがしやすい。

そのため、ヴァイオリンとピアノのデュオ体験にもってこいです。

オススメは、ド派手なテクニックをあまり要求されない1,3曲目。でも、どれもいい曲ですよ。

ヴァイオリンはほとんど伴奏!モーツァルト『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』KV300番台の作品

さて、いよいよソナタ。

ここで紹介するのは、

モーツァルト作曲『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』KV300番台

の作品です。(400番以降は、毛色が変わってくるのでガマンしましょう)

タイトルをよく見るとお気づきになるかと思いますが、

ピアノヴァイオリンのためのソナタ』

です。

ヴァイオリンピアノのためのソナタ』ではありません。

これがミソです。

モーツァルトの『デュオ・ソナタ』において、メインはピアノ(クラヴィーア)であって、ヴァイオリンはあくまでオマケ。

今、一般に「ヴァイオリン・ソナタ」と呼ばれる作品は、元をたどれば「ヴァイオリン伴奏つきのピアノ・ソナタ」だったのです。

 

といっても、そこはモーツァルト。ヴァイオリン・パートはオマケといいながら、単なる伴奏では収まりません。

ピアノとヴァイオリンが、ほとんど対等に扱われています。

初めての「デュオ・ソナタ」としてモーツァルトをオススメする理由はそこです。

音数が少なすぎると、「え……なにこれ、なんも楽しくない……」とヴァイオリン的にやる気がそがれてしまいます。モーツァルトはそのへん、絶妙なバランスなのです。

 

そのかわり本当に無駄がないのでめちゃ難しい。

わたしが初めてマトモに取り組んだ作品はKV380 変ホ長調でしたが、ピアノもヴァイオリンも弾くのが大変(音程も大変)でした。

なので、初心者の方は有名なKV304 ホ短調あたりがいいでしょう。

第2楽章までしかないですし、音数もちょうどいい塩梅なので比較的とっつきやすいと思います。オススメ。

 

▼ホ短調は第1巻に収録されています。

ホ短調だけ単品で出版もされているみたいです。とりあえずやってみるのであればこちらを購入するのもよいかと。

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やっぱりこの人は外せない!ベートーヴェン『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ』1〜3番

「モーツァルトはちょっと苦手……」という、わたしみたいなアナタにはこちら。

ベートーヴェン作曲『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第1~3番』

初めて取り組むデュオ・ソナタなら、モーツァルトのKV300番代か、このベートーヴェンの第1〜3番が鉄板でしょう。

ヴァイオリンの音数もそんなに多くはないし、ピアノとのアンサンブルもそこまで厄介ではありません。

第2番なんて、「これ、ベートーヴェンじゃなくてモーツァルトじゃないの?」というくらい可愛らしいです。

 

ちなみに、ベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ」といえば、第5番「スプリング・ソナタ」とか第9番「クロイツェル・ソナタ」とかが有名ですね。初心者が手を出すと地獄を見ます。ダメ、絶対。

まとめ:初めての室内楽は、音数の少ないものを。

ヴァイオリン弾きのあなたが、運命的な出会いを果たし、ひとりのピアノ弾きさんとお友達になったとします。

そして、その彼だか彼女だかと初めての共同作業に、フランクやらブラームスやらのヴァイオリン・ソナタを選んだ日には、そのチームは十中八九破局します。

なぜって、ピアニストの負担は段違い・ヴァイオリンパートも厄介。

お互い、自分のパートを弾くことに必死になります。相手の音が聞こえていても、聴きあってアンサンブル──なんて余裕はなく、お互い、満足に演奏できないことに不安が募ってしまいます。

 

そして、これとよく似た現象は、古今東西、どんな編成の室内楽でも起こり得ます。弦楽四重奏のラズモフスキーしかり、ピアノ三重奏のメントリしかり。

でも、室内楽って、音楽ってそういうものじゃありません。

自分だけじゃない、共演する相手のことも理解できて、初めて自分以外の誰かと演奏できるようになるのです。

 

せっかく出会った、大事な大事なお友達です。

のっけからガンガン攻めるのではなく、少しずつ、まずは簡単な曲から始めましょう。

 

▼その他、ヴァイオリンの楽曲や演奏法について知りたい方は、コチラのまとめも参考になさってください。

クラシック音楽・ヴァイオリンこちらは加藤綾子のオフィシャルブログ「平成カトグラシー」の記事の中から、 「ヴァイオリン」「クラシック音楽」 についての記事...

それでは、また。

ABOUT ME
加藤 綾子
フリーランス音楽家という名のフリーター。 後ろ向きだっていいじゃない 人間だもの あやこ という意識の低さで生きている。ヴァイオリン演奏・ライティングなど、お仕事のご連絡はこちらにお願いいたします。ayakokatovn@icloud.com