Music

コンサートマスター/ミストレスの仕事をこなすために必要なあんなことこんなこと

コンサートマスター。あるいはコンサートミストレス。プロオケで任されている猛者はともかく、学生オケとかアマオケとか、たとえ短い期間でも、こんな役目を任された日にはストレスで禿げ上がる。

幸か不幸か、音大生時代に前の方の席に座ることが多かったので、なけなしの経験値でかろうじて「これはこうかも」と思った、コンサートマスター/ミストレスという仕事を勤めるときのコツ……ちょっとした気づきを箇条書きにしていきます。参考程度に。

チューニングは落ち着いてやろう

オーボエから、ピアノから、はてはマリンバから。「A」をもらうときは冷静に。

「やっべ、わかんね」と思ったら正直にもういちどAをもらう。というか、リハーサル開始前にせめてチューナーに合わせとく。

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あいさつはきちんとしよう

どんなに自分に余裕がなくても、まわりのメンバーや指揮者とのあいさつはきちんとする。

オーケストラの仲間とのコミュニケーションを大事にしよう

いつもニコニコしている必要はないけれど、なんとなく「話しかけやすい」「コミュニケーションがとりやすい」コンマス/コンミスでいる。トップのひとの雰囲気、態度ひとつでオーケストラはたぶん変わる。

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指揮者とのコミュニケーションを大事にしよう

指揮者とも仲良く……仲良くというか、コミュニケーションを上手いことやる。

振り方にしろ譜面にしろ、わからないところ・疑問に思うところがあったら素直に聞いちゃう。まあ「そんなこともわからねえのかよ」って言われることあるけど。そう言われたら言われたで好きにやらせてもらっちまえ。

その合図、ほんとに必要?

ええ、ええ、わかります。なんたってコンサートマスター/ミストレス、ついつい気合いが入って、いつでもどこでも合図を出したくなっちゃうんすよねーわかるーめっちゃわかるわー。

が、その合図や動作は、果たしてほんとうに必要ですか?

あなたが思っているほど、みんな不安ではないかもしれない。なんなら、あなたの不安がまわりに伝染しているだけかもしれない。そんなときは他人を信頼しましょう。判断が難しいんですけども、ほんと合図をやりすぎると音楽の流れぶった切るただの首振り人形になっちまうので……

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弾きすぎ・音大きすぎにならないようにしよう

これも、まわりへの信頼の持ちよう。まわりが弾けていない、音を出せていない、と思って張り切るほど、まわりの音が聴こえなくなって、どんどん合わなくなっていったりする。

コンサートマスター/ミストレスなんて、弾くことは2割でいいという現役奏者の話もちらほら。弾いてるフリでいいレベル。ほんとかなあ……なんにせよ、弾くことはできて当たり前だからそれよか聴け、ってことだと思います。

でも思い切りは必要

でも、合図出すだけ出しといて自分が出ないとか最悪。後ろから刺される。決してお見合いしたり、探ったりしないほうがいい。

「不安」「余裕がない」ネガティヴな様子は見せないようにしよう

コンサートマスター/ミストレスのあなたが不安に思えば思うほど、余裕をなくせばなくすほど、ほかのメンバーはどんどん音を出せなくなっていく。いつでも穏やかに、毅然とした態度でいるのがきっと理想。まあ無理だけどな! 無理だからって焦らないようにするだけでもマシ。

ときには周りを「気にしない」ことも必要

周りの視線が気になる。周りが自分をどう思っているのか気になる。なんなら、自分の悪口を言っているのが耳に入ってきた。

こればかりはしゃーない。だって、「いちばん前に座る」ってそういうことだもの……

 

コンサートマスター/ミストレスは常に神経を張っていなきゃいけない仕事ですが、ある程度は鈍感にならざるを得ない。みんな、「自分がやっていないこと」だから、「他人がやっていること」だから言えるのです。あなただって、自分がトップをやっていないときはそうだったでしょ? そうじゃないならすみませんでした😇

いざというときは目線を使おう

「やばい管楽器の勢いに殺される」

「弦楽器のうしろに引きずり倒されそう」

みたいな、まじやべーっって緊急事態では、目線を使うのもアリです。

逆に、うまくいったときもアイコンタクトしてもいいかも。やりすぎると白い目が返ってきますが。

ボウイングはちゃっちゃと決断しよう

リハーサル中、「あ、これ弾きにくいかも……」と思うボウイングがあったら、とっとと代わりを考える。

そして、いいのが思い浮かんだらちゃっちゃと試してもう。意外と賛同してもらえる。次のリハになったら元通りなんてこともザラですが。ああいう時、どうしたらいいんでしょうね……

ズレそう・わかってなさそう、不安なパートには早めのリクエストを!

合奏していて思うことがあったら、ほかのパートへリクエストすることも必要です。

「間違ってること言ってるんじゃないかな」

「こんなこと言って、エラそうに思われないかな」

とか考えちゃうんですが、そのへんはなんかうまい言い回しを考える。ザ・人間関係。言わない後悔より言った後悔を取るか否か。

わからないところは「わからない」と素直に言おう

 

わからないところもあるよ だって人間だもの

あやこ

なんでもできるスーパーコンサートマスター/ミストレスのひとたちだって、たぶんきっと、はじめからはできなかったはず。

どう出ればいいのかわからない。どう揺らしてるのかわからない。

そういうところは、素直に先輩や先生、指揮者、信頼できるひとに聞いてしまえ

案外、単なる記譜ミスということもあります。ほんとにありました。

ソロパートの前のTuttiは弾かなくても許される

案外忘れがち。

大事なソロパートの前のTUTTIは、無理して弾かなくてもよかったりします。あとのことはみんなに任せて、気持ちよくソロを弾いちゃいましょう。……気持ちよくは無理でも、まあ、出来るだけ余裕を持つみたいな……

コンサートマスター/ミストレスだって、休憩はきちんと取ろう

10分間休憩、1時間休憩、そして、リハーサル後。

休むべきときはきちんと休んで、リフレッシュして、また次のリハーサルに控える。疲れてぼーっとした状態では、とてもとても、コンマス/コンミスなんて務まりません。甘いもの持っておくとか、タバコ吸うとか、飲酒と臭いもん口にする以外は大概OK。

コンサートマスター/ミストレスだって、よく食べて、よく寝よう

よく食べて、よく寝よう。たとえ10分しか休憩がなくても。

最後に:実際のコンサートマスター/ミストレスの映像や、動きをよく観察する

オーケストラは、たぶん最後は他人との信頼関係になってくるんじゃないの……と思います。とくに学生同士だと。

あまり深刻になりすぎず、くれぐれも「自分だけ」頑張りすぎないように。

どうしても頭が真っ白になってしまうときは、コンサートマスター/ミストレスが書いた本なんかを読んでみるといいかもしれません。結構本音が書いてあって「あ、コンサートマスターも人間でいいんだな」ということに気がついたりします。

そしてなにより、実際にコンサートマスター・ミストレスを勤めている人の動きを見ること。できれば映像ではなく生で。万が一授業などで、オケのトップを勤めている(勤めていた)人がトップに座って弾いてくれる──なんてことがあったら、その経験はほんとうに尊いものです。いちばん、勉強になると思います。合図を出す時、楽器を上げるのか下げるのか、呼吸は何拍で取っているのか、ボウイングの使い方は、弓でどうやって示すのか、そもそも合図を出すときと出さない時の違いは、とか。また、プロオケの演奏会であれば、周囲の楽団員はどんなふうにコンマス・コンミスを見ている/見ていないのか、とか。

しのごの書いたけれども、最終的にはオケだろうがトップだろうがTuttiだろうが、音楽は音楽なのだ、ということを忘れずにいると、すこし救われるかもしれません。

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