10/19(金)室内楽演奏会「Endor」開催!
音楽全般

誰のための演奏会?演奏会のコンセプト・テーマの決め方。

こんにちは。

加藤綾子(@akvnimp)です。

 

演奏会を企画するときって、まずなにを考えるべきなんでしょうか。

わたしはずいぶん長いこと、このへん曖昧にしておりました。

が、いまならこう答えられます。

「演奏会を企画するとき、真っ先に考えるべきはコンセプトだ」と。

コンセプトって、とても大事で、とても単純なこと。

「コンセプト」といっても、そんなにややこしい話ではありません。

テーマ、メッセージ性、なんてふうに言い換えてもいいでしょう。

 

なんてことを考えるきっかけになったのは、以前行ったこちらの公演。

「ヴァイオリン 」「電子音響」「ダンス」……

下手すればとっ散らかったものになりかねない演奏会ですが、ひとつの「詩」を下敷きにしていました。

その詩をベースに企画し、道具を選び、音響を選び、衣装を選び、出来上がった舞台で即興演奏をする。

そうすることで、「単なる即興演奏のライブ」に一気に統一感が出てきて、観客も、

「へえ、この詩で即興演奏するとどうなるんだろう?」

と興味を持ってくれますよね?

 

要するに、

その演奏会の下地になるもの、土台になるものをきちんと意識しましょう。

ということです。

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クラシック演奏会の場合

とくに、クラシックの演奏会の場合、テーマやコンセプトって後回しにされがちです。

編成や、演奏者の希望曲が優先されて、「なんか、バラエティに富んでていいよね!」と笑顔の引きつる演奏会がとても多い。

もちろん、やりたい曲をやるのが一番ですし、メンバーの都合って調整しにくいものです。

でも、聴く側からしたら、プログラムや編成に一貫性・テーマがない=「魅力がない」のは致命的。

 

選曲するにしても、なぜその曲をえらぶのか。なぜこのメンバーなのか。

もー「きれい」とか「憎しみ」とか、なんでもいいので、ターゲットを狙いすました共感しやすいコンセプトを決めましょう。

後付けやこじつけでも、ないよりずっといい。

観客へ伝わるものがはっきりしているかどうか、この差は大きいのです。

即興演奏の演奏会の場合

「え、即興演奏なのにコンセプト決めちゃうの?」

と思われるかもしれません。わたしも以前はそうでした。

決め事なんかしたら即興演奏じゃなくなっちゃうじゃん、って。

 

でも、

「即興演奏だから、なんにも決めなくていいや」

「そのときだけ集中して演奏してればいいでしょ」

という演奏会をやると、聴衆にはなーんにも伝わりません。

「やっぱり即興演奏って、やってるひとが楽しいだけだよねー」

程度にしか思ってもらえません。そんな演奏会、はっきり言って意味ないと思います。

 

ここで誤解しないでほしいのは、

「いや、おれは自由に、純粋に即興演奏のライブがしたいんだ!」

というあなた、なにも間違っていません。

なぜなら、それはそれで「純粋な即興演奏を聴かせる」という、立派なコンセプトだからです。

 

そうではなく、「なんとなく」「即興演奏だから」という甘えが少しでも見えてしまうと、演奏会としての魅力は大激減です。ご注意を。

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わたしが魅力的に感じた演奏会プログラム

つい最近、わたしが「コンセプトはっきりしてるなあ」と思ったのが、2017年11月10日、「新日本フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会」

気になるそのプログラムは、

  1. ラフマニノフ作曲:交響詩「死の島」
  2. チャイコフスキー作曲:ピアノ協奏曲
  3. レーガー作曲:ベックリンの絵画による4つの音詩

 

……はい??? なにそれ????

と疑問符が浮かぶマイナー楽曲2曲で、ド王道な「チャイコン」を挟んだこのプログラム。

この通な2曲、実は非常にわかりやすく、ベックリンという画家の絵画が重要な意味を持っているのです。

アルノルド・ベックリン作「死の島」(wikipediaより引用)

そして、ラフマニノフが尊敬していたチャイコフスキー。彼の超有名なピアノ協奏曲を間に挟むことで、バランスを取ったんだろうなーーと、押してはかるべし選曲。

(いろいろオトナの都合とかあるかもしれないけど、それはご愛嬌)

解説にも「チャイコフスキーがもし、ベックリンの絵画をみていたならどんな作品を書いただろう」というようなことが書いてあったりして。

こういう、観客の想像力を刺激してくれる粋な計らい、イイよね。

あなたは、その演奏会でどんなテーマを伝えたいの?

結局のところ、演奏会ってこれに尽きると思います。

その演奏会を行うことで、あなたは、来たひとになにを伝えたいのか?

来たひとに、どうなってほしいのか?

 

これって、演奏会だけでなく、演奏そのものや、ブログの記事、「表現する」ということになら何でも共通することだと思います。

「演奏会、企画しよう!」というあなた。

ちょっと立ち止まって、コンセプト・テーマというものをじっくり考えてみてはいかがでしょうか?

 

それでは、また。

ABOUT ME
加藤 綾子
フリーランス音楽家という名のフリーター。 後ろ向きだっていいじゃない 人間だもの あやこ という意識の低さで生きている。ヴァイオリン演奏・ライティングなど、お仕事のご連絡はこちらにお願いいたします。ayakokatovn@icloud.com
室内楽演奏会「Endor」開催

「モーツァルトへの手紙」をテーマに、モーツァルト作曲の室内楽曲、そしてオーボエ四重奏のための完全新作「Endor」(エン・ドル)を初演いたします。

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