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本・書籍

作曲家について知りたいなら本を読もう!オススメ本とその選びかた

こんにちは。加藤綾子(@akvnimp)です。

 

きょうもきょうとて、クラシック音楽の勉強に励むあなた。

「さあ、きょうから新しい作品を譜読みするぞー!」

というとき、なにを買いますか?

 

楽譜はもちろんですよね。その次に、スコア、CDあたりが思い浮かぶことでしょう。

ですが、わたしはここであえて、『本』をオススメしたいのです。

 

というわけで本日は、

『作曲家1人につき、1冊の本を買おう!』

というお話。

クラシック音楽を学ぶあなたへ、読書のすゝめ

それにしても、なぜ『本』なのか。

しかも、なぜ『読む』のではなく『買う』のか。

『本』は信用できる貴重な情報媒体

まず、本の情報には信頼性があります。

ネットの情報は気軽に探せるぶん、出典元や執筆者の身元が明記されていなかったりします。

それに、ぱっと検索して出てくるような情報って、たいがいみんな知ってるもの。

一歩踏み込んだ知識を得るためには、自分の目で探して、選んで、買った『本』を読むことが大事なのです。

 

ただ、もちろん信用できない本もあるので、著者のプロフィールは要チェック。

試し読みもできたらいいですね。

「借りた」本では一生モノにならない!

「でも、わざわざ買わなくたっていいじゃん。図書館で借りられるし」

とのたまうあなた。

とくに学生さんはお財布事情も厳しく、学校に図書館もあるわけですから、わざわざ本を「買う」理由ってぴんとこないかもしれません。

 

ですが、学校の図書館は一生使えるわけじゃありません

卒業後も使える? 学校外の図書館も利用できる?

そのころにはもう、勉強だけでなく仕事もしなくちゃいけません。それなのに、いちいち出かける時間がもったいないと思いません?

 

そして、多くの楽譜やCDがそうであるように、本も一生モノです。

たとえば、バッハに関する本を一冊買っておけば、のちのちまたバッハを勉強するときにすぐ読み返せます。

いちど読んでわからなかったところも、月日が経てばわかるかもしれませんよ。

 

あと、借りた本って、意外と読まないです。(実体験)

高いお金を払って買ってしまったほうが「あの野口さんを無駄にしてはならぬ…!」と読み込む気になるし、たとえハズレの本を買ってしまったとしても、そこから何とか学ぼうと必死になるものです。

ホームレッスンするときも、レッスン室の本棚にずらっと専門書が並んでいるだけで、生徒に対する説得力がダンチですよ!
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損をしない『本』の選びかた

「でも、本なんていっぱいあるじゃん。どれ選べばいいの?」

と、まだまだ文句たれりーなのあなたに「選び方」のアドバイス。

【作曲家別 名曲解説ライブラリー】は買っておいて損はしない!

「○○の生涯」とか「○○」(作曲家名オンリー)というようなタイトルの本は、あまりオススメしません。

おおまかな情報を知るには便利ですが、よく言えばわかりやすく、悪く言えば無味乾燥に事実を並べてあることが多い。

読んでて大抵眠くなっちゃいます。信用できるウィキペディアみたいな感じです。

 

でも、こちらの【作曲家別 名曲解説ライブラリー】シリーズはオススメ。

ともかく情報量が多いのが強み。

各作品を譜例つきで解説していたり、巻頭には作曲家の大まかな一生、巻末には全作品リスト、各作品の初版・初演の詳細、参考文献の資料つき。まさしく一生モノの本。

あと、表紙の作曲家の直筆サインが地味にうれしい。

 

欠点は、「えっ、この作曲家出てないの?」「えっ、この作品載ってないの?」ということがたまにあります。」

2017年現在、発行されている作曲家は以下の通りです。北欧の作曲家はまとめないでほしかったなあ……

 

  • J.S.バッハ
  • モーツァルト(Ⅰ・Ⅱ巻)
  • ハイドン
  • ベートーヴェン
  • シューベルト
  • シューマン
  • ショパン
  • ブラームス
  • ドヴォルザーク
  • チャイコフスキー
  • 北欧の巨匠
  • ドビュッシー
  • ラヴェル
  • R.シュトラウス
  • マーラー
  • ワーグナー
  • プロコフィエフ

(順不同)

テーマが見える本

ただ漠然と作曲家の情報を並べているのではなく、そこにひとつ「テーマ」が付け足してあるような本もオススメです。

極端な例だと、この本はベートーヴェン研究にまさかの心理学要素をぶっこんできた、勇ましいシロモノです。

これくらいテーマがとんがってると、自分では思いもよらないことに気がつけて楽しいです。

ただ、著者が音楽ではなく医学を専門にしているので、「?」な部分も多々あります。このへんはご愛嬌。

作曲家・あるいはその周辺の人物が書いた本

これは絶対オススメです。外れナシです。

「作曲家について知る」という意味では、これ以上のものはありません。

だって、本人とその同世代に生きた人々の、生のことばがそのまま残っているわけですから。

 

よく目にするのが手紙・書簡集ですよね。モーツァルトの手紙なんて、「ぜったい読め」と言われるひとも多いのでは?

文庫サイズが手軽に読めてオススメですが、翻訳の違うものや、正真正銘の「全集」も出ています。

 

わたしが大好きなプロコフィエフは、自伝、さらには自作の短編集まで残してくれています。

キノコ王国の話とか、赤外線と紫外線の姉妹の話とか、めっちゃシュール。

 

ほかにも、作曲家の肉親・友人が記した回顧録もいいですね。

バルトークなんて息子との思い出がみっちり詰まってて、イメージがガラッと変わりますよ。(お値段高っけえですけど)

演奏家が書いた本

「特定の作曲家について知るための本」からはちょっと離れるのですが、現在活躍中の演奏家が書いた本もオススメです。

演奏家それぞれの作曲家・作品に対する解釈って、なかなか興味深いのです。

 

たとえば、有名どころだと青柳いづみこさんというピアニストの作品。

モーツァルト、ワーグナーなど、有名な作曲家と同世代(あるいは別世代)の文学家を関連付けて、著者独自の目線でエッセイを綴っています。

彼女はもともと文筆家であるため、文章もとっても読みやすい。うんうん、ワーグナー、えろいよね。

 

こちらは、ピアニスト兼作曲家、ファジル・サイのバイオグラフィー。

(語りはファジル・サイ、編集はユルゲン・オッテン)

古典的な作曲家・作品についてに触れているのはもちろん、彼の出身国であるトルコの複雑な事情や、現代音楽、彼自身の作品についても触れています。

番外編:論文

「論文」という字面でおめめが潰れちゃいそうですがお待ちあれ。

もちろん読むのは大変ですが、情報量と信頼性は桁違いだと思います。

 

たとえば、こちらはベートーヴェンと、彼をとりまく同時代〜近現代のドイツの美学の転換について。

論文の何がいいって、その作曲家だけでなく、ともかく広く深く、ジャンル・時代問わず、その作曲家に関する情報に触れてくれること。

この論文の場合、当時の音楽に対するひとびとの考えや、実際の批評などがたくさん引用されています。

また、のちの時代の作曲家たちがベートーヴェンをどう語っていたのか、そもそも「交響曲」はどんな扱いだったのか……なんてことまで載っていてとっても面白い。でも、「コスモポリタニズム」とか「形而上学」とか、おら、ざっぱりわがんねっ!

 

あと、いまどき論文はタダで読めるんですよね。知ってました?

スマホでぽちぽち、気になる作曲家・作品でggって読むのもオススメです。

おまけ:本の並べ方

作曲家を年代順で並べると、時系列も覚えられるし頭の体操にもなるし一石二鳥です。

←から→へずずいっと年代順。

地域別で並べてみても面白いかもしれないですね。

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まとめ:音楽家よ、書を持とう。

というわけで、【作曲家について知りたいなら本を読もう!オススメ本とその選びかた】なのでした。

 

たくさん買うに越したことはないですが、さすがにお財布が激痩せしちゃうので、とりあえず「作曲家1人につき1冊」を目安に購入していきましょう。

こつこつ繰り返していくうちに、立派な「専門家っぽい本棚」が完成します。

いいんです、自己満足で。その満足感は、必ずあなたの音楽によい影響を生み出します。

 

それでは、また。

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加藤 綾子
フリーランス音楽家という名のフリーター。 後ろ向きだっていいじゃない 人間だもの あやこ という意識の低さで生きている。ヴァイオリン演奏・ライティングなど、お仕事のご連絡はこちらにお願いいたします。ayakokatovn@icloud.com
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「モーツァルトへの手紙」をテーマに、モーツァルト作曲の室内楽曲、そしてオーボエ四重奏のための完全新作「Endor」(エン・ドル)を初演いたします。

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