10/19(金)室内楽演奏会「Endor」開催!
クラシック音楽

どんなに難しい曲でも通用する、暗譜のたった1つのコツ

暗譜って難しい。どうにも暗譜できないという人は、きっと、いろんな方法を試したことと思います。

「楽譜を見なくても書けるようにする」

「楽器を手にしないでも演奏できるようにする」

そういうのもありっちゃありなのですが、私は、暗譜のコツはただ1つだけだと考えています。

 

それは、「声に出して歌う」ことです。

暗譜のコツは声に出して歌うこと

暗譜が苦手な方が陥りがちなのが、「音」を覚えようとしてしまうこと。

音だけを覚えようとすると、それは暗譜ではなくただの暗記になってしまいます。

曲は、いろんな要素が複雑に絡み合って出来上がっている、織物のようなもの。作曲の背景、様式、旋律、リズム、和声……それらが全部連なって、一つの「音楽」になります。

こう言った音楽の流れ全てをひっくるめて覚えることを、私は暗譜だと思ってます。

スポンサーリンク

歌って暗譜するメリット

声に出して歌うことのメリットは、

  • 声と頭の中にだけ集中できる
  • いつでもどこでもできる
  • あとはアナタの音楽性

ごちゃごちゃした「ここ指が回らない」「弓がきれいに動かない!」などという悩みはぽいっ。

「あかん、この曲、全然頭に入ってこない……」というときほど、楽器を置いて、声に出して歌いましょう。

 

その時、ただ音を追っかけて歌うのではなく、頭の中できちんと、

  • 和声
  • フレーズ感
  • リズム
  • 音程
  • そのほか、自分で考えた音楽の流れ

こういった音楽の要素を考えながら歌うこと。

音程は頭の中で追っかけられていればオンチでもいいですし、人に聴かせられるほど上手に歌う必要なんてありません。

もちろん、音名を間違ってちゃ元も子ないです。できるだけ異名同音もやめましょう。あとで結局、混乱します。

主旋律以外(伴奏や対旋律)も含めて暗譜する!

そうしてまずは、主旋律を歌えるようになりましょう。

はじめのうちはもちろん、楽譜を見ながら。だんだん、朝昼夜、寝起きの時もトイレの時も、楽譜を見ずに歌う習慣が付いてくるといいです。とりあえずは鼻歌でもいいです。

ふとした拍子に「あれ、ここなんだっけ?」となるところは要注意。きちんと暗譜できていないポイントです。

 

次に、伴奏パートや、メロディ以外の声部を歌いながら演奏する練習をしましょう。さらっと書きましたが、コレ、めちゃくちゃ大変です。

例えば、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタに含まれる「フーガ」がいい例です。ヴァイオリン一本でいくつもの声部をこなさなくちゃいけない、難曲中の難曲。しかも、暗譜が飛ぶ・無限ループすることで悪名高い作品でもあります。

 

この手の作品を暗譜しようと思ったら、ただひたすら音を覚えたり、指の動きを叩き込むだけでは本番、絶対に事故ります。(後述)

なので、例えば、

  1. まずはソプラノ声部を単音で弾きながらバス声部を歌う
  2. 次はその逆
  3. 今度は内声を弾きながらソプラノを歌う
  4. 次はその逆……

という練習を、各声部で繰り返しましょう。

「ソプラノがこうなっているとき、バスはこうなっている」「アルトが上っているとき、実はテノールが下りている」といった具合に、それぞれの声部を比較していくんですね。

これはバッハに限ったことではなく、どんな作品の暗譜にも通じる考え方です。気が遠くなるかもしれませんが、こうして各声部を交互に歌う/弾くことで、曲の構造が頭や身体に浸透していくはずです。

スポンサーリンク

身体の動きで暗譜してしまうと危険!

「歌ってる場合じゃないよ! さらって練習しなきゃ暗譜できないよ!!」というアナタ。

確かに、練習すれば暗譜できた気になります。でも、闇雲に楽譜から目をそらし、身体の動きで曲を覚えてしまうと、あとあとおっかないことになります。

すなわち、

本番で突然ド忘れしちゃう問題

です。

スッパァアアアアーンッと逝ってしまうのですコレが。

 

本番って緊張します。緊張すると、身体も当然こわばります。

すると、いつも覚えている動きができなくなってしまいます。

 

いつもと違う動きをしたその瞬間、脳みそはエラーを吐きます。頭も体も集中力もキレてしまって、いつも気にしていないところで変な音を弾いてしまったり、わけわかんなくなってループしちゃったりするのです。

頭の中で歌いながら演奏できれば、暗譜も怖くない!

本番中での事故は、どんなにさらっていても、どんなに曲を理解していても起こり得ます。

でも、その時、頭の中で歌いながら演奏できていれば、すぐ立て直すことができます。

 

ただでさえ細い綱を渡る本番。暗譜は、その綱の補強作業みたいなもんだと思ってください。

音の並びでもなく身体の動きでもない、きちんとした「音楽の流れ」がわかっているからこそ復活できるわけです。

スポンサーリンク

暗譜のコツ・まとめ

というわけで、暗譜のコツは、曲を声に出して歌うこと。

ご飯作りながら、散歩しながら、お風呂入りながら、いつでもどこでも、曲を歌えること。

シューマン先生だって言ってます。

自分の手がけている曲は、ただ指でひけるばかりでなく、ピアノがなくても口でいえるようでなければいけない。想像力を大いに強化して、曲の旋律ばかりでなく、それについている和声も、しっかり覚えこめるようにならなければいけない。

──ロベルト・シューマン『音楽と音楽家』(吉田秀和訳)

 

暗譜が苦手なあなたは、恥ずかしがらずにレッツ・シンギング!

 

ABOUT ME
加藤 綾子
フリーランス音楽家という名のフリーター。 後ろ向きだっていいじゃない 人間だもの あやこ という意識の低さで生きている。ヴァイオリン演奏・ライティングなど、お仕事のご連絡はこちらにお願いいたします。ayakokatovn@icloud.com
室内楽演奏会「Endor」開催

「モーツァルトへの手紙」をテーマに、モーツァルト作曲の室内楽曲、そしてオーボエ四重奏のための完全新作「Endor」(エン・ドル)を初演いたします。

ご予約・お問い合わせはこちら!